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【風力発電】風力発電は、なぜ日本では普及しないのか



現在日本における再生可能エネルギーの中心は「太陽光発電」です。しかし世界に目を向けると、「風力発電」も拡大を続けています。世界規模での風力発電設備容量は昨年末時点で約486GW。風力発電は今後の日本で拡大していくのでしょうか。世界の状況と比較しながら考えていきましょう。

 

風力発電の売電金額

経済産業省 - 調達価格等算定委員会発表

現在日本における陸上風力発電の売電単価は20kW以上:21円(税別)、20kW以下:55円(税別)、洋上の場合(20kW以上)は36円(税別)で売電期間はそれぞれ20年間になっています。太陽光発電と比べて20kW以下や洋上の場合の売電単価は高い水準です。しかしなぜ導入数が増えていかないのでしょうか。その原因は「設備コストの高さ」「稼働実績の乏しさ」「売電シュミレーションの信憑性の低さ」「発電に適した土地の取得」等があげられます。

 

 

風力発電のメリット・デメリット

 

具体的な風力発電導入のメリットデメリットを確認していきましょう。メリットとしては、まず売電価格が高いという事。設備コストを抑え、メンテナンス費用が高額にならなければ十分な高利回りが期待できます。また、風力発電は昼夜に関わらず風が吹く限り発電可能です。環境アセスメントの考慮は必要ですが、比較的狭小地でも設置・発電が可能という点もメリットと言えるでしょう。太陽光発電に関して言えば、最近では蓄電池を使用して24時間売電を行うシステムも登場しています。

 

ではデメリットはどうでしょうか。導入数が少ないことから、まだまだ設備費用は高額水準となっています。また当然のことながら風が無ければ発電しません。風の強弱など、正確な情報が必要となります。そして近隣住民には風力発電による風切り音・騒音への対策が必要になってきます。さらに太陽光発電と比較した場合には、動力部分が多い為、それだけシステムメンテナンスが必要となります。収支シュミレーションを組む際は、万が一のメンテナンス費用を含んだ形でのシュミレーションが必要となります。

 

 

なぜ日本では普及していないのか

 

風力発電が普及しているヨーロッパでは、偏西風が安定的な発電量をもたらします。しかし日本では安定的な風は海沿いの一部でしか吹かないとされています。風力発電に適した土地が少ないというのが一つ目の要因だと言えます。二つ目の要因としては、日本では台風が頻発するという点です。台風ほどの強い風が吹く時には、安全の為に風力発電は停止させるのが一般的です。台風が頻発するのは、風力発電にとっては好ましくない事と言えるのです。

 

3つ目は、落雷の危険性です。台風に伴い日本では落雷被害が少ないとは言えません。仮に風力発電に落雷した場合、ブレードと言われる羽部分の交換は免れません。そうなるとブレードの費用はもちろんのこと、交換費用が莫大な金額となってしまいます。高いところにあるブレードの交換は、太陽光発電のように簡単に作業が進むとは考えづらいのです。さらに難点なのが環境アセスメント対策です。騒音や生息動物に影響が出やすいと言われる風力発電では、審査に4年以上かかることも多く、もし行政から追加調査を求められれば、さらに完成は見送られます。調査費の増大や買取価格の引き下げなど、採算見通しが立てづらいのが日本の風力発電拡大を阻害しているのかもしれません。

 

 

洋上風力発電の可能性

世界的には洋上風力発電が拡大しています。その代表としてイギリスがあげられます。イギリスは島国であり、比較的浅い海域が広がっています。その為発電機を設置しやすいと言えます。残念ながら日本近海は浅い海域ではない為、イギリスが採用している水深50m未満の海底に基礎を作って海上に風車を建てる「着床式」の普及は困難です。日本で普及が考えられるのは「浮体式」と呼ばれる海底に基礎を打ち込み、そこからワイヤーを通して海面に風車を立てる方式です。現在日本では「浮体式」の設置が始まっていますが、まだまだ実証段階であり課題は残っています。

 

風力発電による事故

 

本格的に拡大が進んでいない日本でも、風力発電による事故の報告は相次いでいます。京都・三重・北海道などではブレードが落ちるなどの事故が発生しています。また風力発電が火災したという事故も発生しており、この際は風車の高さゆえに鎮火作業が難航し、自然鎮火を待つという状況になったようです。これらの事故は風力発電に限ったことではないと言えますが、事故発生後の対処は高所ゆえに難航することが予想されます。

 

 

太陽光発電の可能性


日本の再生可能エネルギーの代表格と言えば「太陽光発電」です。しかし、太陽光発電の固定買取価格は年々下落しています。「太陽光発電は、もう終わり」と言った意見が出ているようですが、実は本質的に太陽光発電を理解している投資家の方々は、今でも太陽光発電投資を続けているのです。その理由は、導入費用すなわち初期投資額のコストダウンです。太陽光発電普及当時の税制優遇は影を潜めていますが、利回りベースではコストダウンが影響して、当初の利回りと変わりない10%強の利回りを確保できているのです。世界的にも新興国では太陽光発電の導入が急速に進んでいます。日本を含む世界中で、まだまだ太陽光発電が拡大していくという見方が多いのも事実ではないでしょうか。

 

まとめ

日本において風力発電が拡大するには、様々な課題があります。ひとつひとつクリアしていくには、もう少し時間が必要なのかもしれません。また風力発電を含む再生可能エネルギーは、政治動向に左右されやすい環境事業の為、今後の国政にも注目が集まります。日本に適した発電事業と言われる太陽光発電の拡大が「2030年には国内の発電電力量の33%を再生可能エネルギーで供給する」という環境省の将来予測に寄与するのかもしれません。
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