curiosity

“常に改善、常に挑戦”の原動力は好奇心。
きっかけはお互いの好奇心。
好奇心から未来を想像する対談企画。

EGUCHI HOLDINGS GROUP
代表取締役/江口 勝義


代表取締役/加藤 弘康

【Episode.1/覚悟を決めた日】

業種は違えども、「本気」で仕事をしている人間には多くの共通点がある。そして、誰しもが「社長になる」と覚悟を決めた日があるはず。
若獅子が軒を連ねる愛知において、増収増益を達成している社長は「いつ・どんな」覚悟を決めたのか。そして何を考え、何をミッションとしているのか。

第1回のゲストは株式会社ブルームダイニングサービス 代表取締役を務める加藤 弘康さん。愛知県名古屋市を中心に、がブリチキンを主軸にバルやダイニング、居酒屋、カフェなど様々な業態の飲食店を経営。独立までの道のりや、経営者を目指す上でのポイント、今後の展望などについてうかがいました。

 

-経営理念とは

江口社長
江口社長:

今日は、お忙しい中お時間をいただきありがとうございます!

加藤社長:

とんでもないです!とても楽しみにしていました!

江口社長
江口社長:

早速ですが、簡単にブルームダイニングサービスさんの現在の事業内容を教えてください!

加藤社長:

当社は2006年に創業し、現在はFCも含めると国内外で80店舗以上を展開させてもらっています。骨付鳥とからあげをハイボールで流し込むスタイルの「がブリチキン」の他にも、ホルモン焼き・肉バル・カフェ・和食・ラーメン・スイーツ・カラオケなどを展開しています。

 

 

おしゃれな店内で、ハイボールを片手に名物の骨付鳥とからあげを豪快に味わえる。気さくなスタッフが笑顔で迎えてくれます。

江口社長
江口社長:

本当に様々な業態で拡大していますね。僕の会社でも経営理念はすごく大事にしていますが、これだけ会社が急拡大してくると、「経営理念」の重要性を感じる事も多いのではありませんか?

 

 

加藤社長:

経営理念の重要さはすごく感じています。「関わるすべての人、すべての街に幸せの花を咲かせる。」というのが当社の経営理念ですが、細かく言うとお店に来てくれるお客様に「幸せだな」って思って頂き、お客様の心に幸せの花を咲かせたい。また社員のみんなには、会社は”共に成長できる場所”となって、みんなの人生を開花させるような場所でありたい。出店した場所では、パッと開いた「花」のような存在で、地域全体を照らしていきたいと思っています。どんなことをするにも、根幹となるものは絶対必要だと思っていて、企業にとってはそれが経営理念だと思います。

 

 

江口社長
江口社長:

行動指針というか何というか、何をするにも経営理念が心にあれば大きく道をそれる事はないですね。

 

 

加藤社長:

はい。理念に掲げているように、本心から名古屋の人達に感動を与えていきたいと考えています。その為にも、まずはスタッフのみんなが輝きながらイキイキと働くことが、お客様に喜びを与えられる第一歩だと考えています。

江口社長
江口社長:

素晴らしい!従業員満足がお客様満足に繋がりますね。

加藤社長:

もちろん企業として売上は重要ですが、社内で夢を描けるような会社にしたいとは常に考えていますね。

ブルームダイニングサービスのビジョンは、BIGカンパニーよりも、個々が輝くNICEカンパニー。目指すのは、幸せを実感できる「イイ(NICEな)会社」

-幼少期の自分

江口社長
江口社長:

一緒の感覚ですね。僕も社員にはいつも言っていますが、本気で会社からたくさんの経営者を輩出したいと思っています。でも、経営者になるって相当な覚悟と努力が必要だと思うんです。ちなみに僕は物心ついたときから「社長になる!」ってことだけは決めていましたよ。(笑) 勝義という名前も「勝つことに意義がある」という意味で、父親からは「負けるなんてあり得ない」という教育を受けてきました。加藤社長も小さいときから、「経営者」になるという意識があったんですか?

加藤社長:

小さいときには全くそんな意識はなかったですね。

江口社長
江口社長:

え、そうなんですか!意外ですね。

加藤社長:

僕の父も「1番じゃなきゃだめだ」という考えで、実際に社長まで上り詰めた人なんです。厳しい人だったので、小さい頃は「父に認められたい」という気持ちがどこかにあって、お風呂を洗ったり、毎朝新聞を父の机に置いたり、先回りをして自分の存在をアピールしていました。

江口社長
江口社長:

なるほど。お母さんも厳しい教育を?

加藤社長:

母は優しかったです。でも自分は何をやっても並かそれ以下で、優等生とはかけ離れた存在でした。母はよく、出来の良い他の子を羨ましがっている思い出がありますね。

江口社長
江口社長:

何をやっても優等生かと思っていました。(笑)

-就職活動

加藤社長:

全然ダメでした(笑)  就職活動の時なんて父から「お前は出来が悪いんだから、どこでもいいから雇ってくれる会社があったら頑張りなさい。」と言われました。そのころの自分は、自分に自信なんて全くなくて仕事に対しても適当に考えていました。

江口社長
江口社長:

適当というと?

加藤社長:

仕事は人生の夢や、やりたいことを我慢してやるもので、義務感とかやらされ感でしかなかったです。

江口社長
江口社長:

言いたいこと、すごくよくわかります!結果的にはどんな会社に就職したんですか?

加藤社長:

人と関わる事は好きだったので、営業会社に就職しました。就職当初はやる気があったのですが、先輩社員は夢も希望もなくただ働いているような会社でした。本当にやらされている仕事っていう感じです。僕には姉がいるのですが、僕が社会人としてくすぶっている時、当時の姉は古着屋の店長をしていて、とにかく忙しく仕事をしていました。 でもただ忙しいのではなくて、朝早い仕入れにしても、スタッフの教育にしてもやりがいを持って働いているように見えていました。

江口社長
江口社長:

なるほど。お姉さんは輝いて見えたんですね。

加藤社長:

はい。それで、このままこの会社で働いた先に何かあるのかな?と思って、1年半で辞めちゃいました。父には「お前なんか何をやっても続かない。」と言われましたね。

-フリーター時代

江口社長
江口社長:

そのあと飲食の業界に入ったんですか?

加藤社長:

いや、当時の僕はサーフィンが大好きで(笑) 「サーフィン中心の生活がしたい」って思っていました。

江口社長
江口社長:

昔からサーフィンが大好きだったんですね(笑

加藤社長:

はい、当時はサーフィンをする為にバーテンやガソリンスタンドなどとにかく一日中働いていました。よく周りからは「いいよな。フリーターは気楽で。」と言われていましたが、遊ぶ時間も寝る時間も削って働きまくりましたね。そして貯めたお金でオーストラリアやバリに数カ月サーフィンだけをやりに行くんです。こんな事をしていたので、正社員でフラフラ仕事をしている人をみると、よっぽど「目的を持ったフリーター」の方が素晴らしいと今でも思っています。

江口社長
江口社長:

目的があればどんなにきつくてもへこたれないって事ですね!海外で数カ月サーフィンして過ごして、また日本でお金貯めての繰り返しだったんですね。

加藤社長:

はい、とにかくお金を貯める時期は必死でしたね。でも、オーストラリアから帰国した時、稼ぎ頭だったバーテンのバイトをクビになっちゃたんです。

江口社長
江口社長:

クビに?

加藤社長:

サーフィンで日焼けし過ぎて、お店のシックな雰囲気に合わないからと。(笑) それで、新しい仕事を探していたら居酒屋の求人を見つけました。ここからが本格的な飲食の始まりという感じですね。

-居酒屋との出逢い

江口社長
江口社長:

そこが飲食の始まりなんですね。

加藤社長:

そうなんです。24歳から居酒屋で働き始めました。そしたらそこの社長さんにすごく気に入ってもらって「お前いいな!店長やってみろよ」って言ってもらえました。25歳で店長を任せてもらって、居酒屋の魅力にどっぷりハマっていったという感じですね。

江口社長
江口社長:

バーには無かった居酒屋の魅力って何ですか?

加藤社長:

バーは自分らしさを押し殺して、その空間の為に肩肘張って気取りながら仕事をしなくちゃいけなかったんです。でも居酒屋は等身大の自分でいいというか。自分も楽しみながらお客さんにも楽しんでもらえるんです。そうするとお客さんも「お前可愛いな!またお前に会いに来るな!」って言ってもらえて、どんどん常連さんがついてくれました。

江口社長
江口社長:

わかる気がします。加藤社長は人を引き付ける力がある!

加藤社長:

いやいやありがとうございます(笑) もっと言うと居酒屋ってチームなんです。僕らはチーム商売って呼んでいます。チーム全員で「こんなお店にしたいんだ」「お客さんにこんな気持ちになってほしんだ」なんてことを真剣に語りながら毎日頑張ってると結果はついてくるんです。

江口社長
江口社長:

たしかに想いの共有ってすごく大事で、まずは「あそこに行くぞ!」ってゴール地点を共有してあげることが大事ですね。

加藤社長:

本当にそうで、想いが共有できているとみんなが同じ方向を向くので、チームの力は何倍にもなります。そうやっていくうちに「居酒屋最高!居酒屋こそが天職や!」って思えるようになっていきました。

お客様に楽しんでもらうには、まずは自分が楽しむ事。

-自分への投資

江口社長
江口社長:

そのころにはもう独立願望があったんですか?

加藤社長:

独立願望が芽生えたのはもう少し前で、フリーターをしていた22歳ぐらいですね。正直それまでは何も考えていなかったです。他人に自慢できるような実績はありませんし、僕の性格上確信できる目標じゃないとコミットできないんです。だから例えば創業時に「100店舗をつくる!」とは言えなくて、5年で10店舗って言うのが精一杯。積み上げ式の考え方だから、10代の時に「社長になる」なんて言えませんでしたね。

江口社長
江口社長:

僕はよく野球に例えますが、僕の場合は「打席に立てば絶対打てる!」という根拠のない自信だけはあった・・・(笑)

加藤社長:

羨ましいです(笑) 僕の場合は、何をやっても目立てなくて、自信が持てない自分が幼少期に形成されたのだと思います。飲食を始めたときも、「社長になりたい!」ではなくて「自分の店を持ちたい」という身の丈にあった目標でした。その感覚は22歳の時に覚えました。

江口社長
江口社長:

足元を見ながら少しずつですね。

加藤社長:

自分はそういうタイプでしたね。飲食の経験を積んでいって、多少自信もついてきた頃には「30歳で独立しよう」と目標を立てました。その時は独立資金を貯めるというよりも、「目先のお金よりも、経験を最優先させよう」っていう事だけ決めていました。

江口社長
江口社長:

自分への投資ですね。

加藤社長:

はい、時間もお金もです。

江口社長
江口社長:

他に店長として心掛けていたことは?

加藤社長:

その時決めていたのは、グループの中で「最下位の店長じゃなきゃいい」ではなくて、「ぶっちぎりで1位の店長になってやろう」って決めていました。もっと言えば、時間が空けば当時東京で有名だった流行りのお店の店長さんにアポをとって、「どういう事を大事にしてチームを束ねているのか」「どういう意識でお店を運営しているか」等を、とにかくヲタクのように研究しまくったんです。

江口社長
江口社長:

やると決めたらやり抜かなきゃ気が済まないタイプですね。

加藤社長:

そうかもしれません。井の中の蛙にならないように、広い視野を持つように心がけていました。あとは、「30歳で独立する」ってコミットしていたので、「独立したい」ではなくて「絶対する」っていう覚悟があったと思います。だからこそ何かあるたびに「自分のお店だったら」と自問自答していました。

江口社長
江口社長:

コミットが大事ですね。加藤社長自身は「独立」にコミットしていたので本気だったと思います。でも残念ながらすべての従業員が加藤社長のように、必ずしも高い目標を持っているわけでもないですよね?目標を持っていない従業員には、どのように接していますか?

加藤社長:

よくアルバイトスタッフには「固定給のからくり」という話をします。例えば時給千円だとして、さぼりながらチャリンって入ってくる千円と、誰も見ていないようなところでも頑張って、努力して手に入れる千円。パッと見は楽をしてチャリンって入ってくる千円の方が費用対効果が良いですよね。ただ、その時間を人生の尺度で見たとき、時間の「浪費」や「消費」になっていないかってことを伝えています。

江口社長
江口社長:

なるほど「浪費と消費」か・・・。どっちにしろ1時間働くなら、自分にとってもプラスになる過ごし方をっていう事ですね。

加藤社長:

戻ることのない大切な時間に対して、浪費や消費をするなんて絶対的に損なはずです。時間に対しても「投資」という感覚を持ったほうがいいと思うんです。

-独立

江口社長
江口社長:

独立までの道のりは、険しかったですか?

加藤社長:

楽な道ではなかったですね。独立前に働かせてもらっていた会社では、社長と一緒に経営理念やコンセプトを考えながら、店舗再生など多くの事を学ばせてもらいました。縁あってホルモン焼きのお店をオープンさせましたが、正直この出店もかなりのチャレンジでした。オープンからどうなるかと思っていたのですが、開店から閉店までずっとウェイティングが止まらないほど繁盛したんです。そして「やっと見つけた!成功の形!」って社長と喜びましたね。このホルモン焼き屋を多店舗展開・フランチャイズ展開していこうと社長と話していました。

江口社長
江口社長:

煙もくもくのスタイルですね(笑)

加藤社長:

その通りです(笑) 当時はオシャレなお店が流行っていたので、煙もくもくでダクトも引かないような雑多な雰囲気が受け入れられたのですね。ただ、個人的には29歳で一旦飲食から離れて、30歳までの1年間は開業資金を貯める為に働こうと考えていました。だから、ホルモン焼き屋を多店舗展開する前に退職する予定でした。

江口社長
江口社長:

順調だったのに一旦離れようと?

加藤社長:

はい、前々から社長にはこの話はしていました。だから29歳になった時に「約束の期日になりましたので。」という話を社長にしました。そしたら社長が「他の会社に行ったらうちの卒業生って言えないだろ?それにお前にはたくさんの部下がいる。お前はその部下の夢も背負っている。お前は部下の皆に、夢の背中を見せていかなかん。だからお前はこのホルモンで創業したらどうだ。」と言って頂けたのです。

江口社長
江口社長:

有難いお話ですね。

加藤社長:

本当に有難いお話でした。でも、僕は昔からスタイリッシュでかっこいいお店をやりたいって思っていました。(笑) だから、まさか自分が酒屋のサロンを巻いて煙もくもくの中で創業するなんて思ってもみなかった。でも、せっかく自分を育てて頂いて、なおかつ創業の手助けもしていただけるという有難いお話を頂いたので、社長に感謝してホルモン屋で創業することになったんです。これが、私が独立するまでの道のりですね。

江口社長
江口社長:

ちっちゃいときから独立心が無くても、「独立」にフォーカスして本気になった結果、夢を実現できたわけですね。

加藤社長:

はい、根性持って本気でやればできないことはないです。

ホルモン屋がブルームダイニングサービスの原点

-創業期

江口社長
江口社長:

創業当時は毎日どんな気持ちだったか覚えていますか?僕の場合は、正直恐怖みたいなものがありました。

加藤社長:

恐怖とか不安はもちろんありました。でも僕がすごくラッキーだったというか、ありがたかったのは、何もない僕についてきてくれた仲間がいたこと。そしてチャレンジや失敗が出来るやり場があったことです。僕自身はやり場の中で成長してこれました。もしやり場が無かったら、本を読んでセミナーに行って、学んでいるつもりになっていたと思います。やっぱりやり場こそが人間を成長させていくし、成長スピードを上げていくと思います。だからこそ、僕は社員にやり場を提供していきたいと考えています。あとは、「夢って叶うんだぞ!」っていうものを皆に見せる為に、我武者羅に突っ走ってきた思い出があります。

江口社長
江口社長:

まだ突っ走ってる印象です(笑) 話は戻りますが、今はお父さんと良好な関係ですか?

加藤社長:

実は独立するときに、親父には一度相談していたんです。「お前なんて上手くいく訳ないだろう」って全否定されると思っていました。でも親父が言ってくれたのは「よう頑張ったな。頑張れよ。」という言葉でした。正直その言葉には驚きましたね。

江口社長
江口社長:

頑張りを陰で見ていてくれたんですね。

加藤社長:

ありがたかったです。親父からその時「どこでどんな店やるんだ?」って聞かれました。当時は500万円の資金しかなかったので、地元の名古屋市上小田井で500万円を元手に1000万円借りて1500万円を開業資金にしようと考えていました。そう伝えると親父は「既成概念を取っ払って、本当にやりたい店はどんな店なんだ?」って聞いてくるわけですよ。当時は2つ並んだテナントが空いていたのですが、2つ借りるには2500万必要でした。だから、「本当は2つ借りたいけど、まずは1つだけ借りて儲けが出たら拡張するよ。」と伝えたんです。そしたら親父は「よし分かった。」って言って、親父が保証人になって実家を担保にして2500万円借りて、「最初からいけ!」って言ってくれました。反対されるどころか、一番の応援者だったんです。

加藤弘康氏 株式会社ブルームダイニングサービス 代表取締役
生年月日:1977年3月20日
プロフィール:中学・高校とバレーボールに熱中し、営業会社に就職するが「夢も希望もなく働く」事に疑問を抱き1年半で退職。アルバイトをしながらお金を貯め、夢中になっていたサーフィン中心の生活を送る。25歳からは飲食店での独立を目指し、遊ぶ時間も寝る時間も犠牲にして本気で仕事に取り組み29歳でホルモン焼き店として独立。現在では国内外にて80店舗以上の運営を取り仕切っている。
企業HP: http://bloom-ds.com/
ブログ: https://ameblo.jp/bloom-ds/

江口勝義 エグチホールディングス株式会社 代表取締役
生年月日:1971年12月13日
プロフィール:鉄筋屋の息子として生まれ、幼少期は家業の手伝いや空手・野球・サッカーに熱中。鉄筋屋集団だった当時の(有)江口鉄筋を何とか軌道に乗せる為に、ゼネコン営業を繰り返し事業拡大。2009年から太陽光事業に参入し、現在では国内外においてビジネスを展開。座右の銘は、「我が名を後世に挙げてもって、父母の名を顕わす。是れ孝の大なるものなり。」
企業HP: http://eguchi-hd.co.jp/
ブログ: http://eguchi-hd.co.jp/blog/