当社エグチホールディングスは、同社のパートナー企業であるWe Are IT Philippines社と共同で、フィリピン共和国の国立銀行であるフィリピン中央銀行屋根への太陽光発電設備の設置工事を5月31日に完成させ、7月10日に発電を開始いたしました。フィリピンにおける太陽光発電設備設置工事としては当件で3件目の実績(2017年7月現在)となり、今後も同国において太陽光発電事業を拡大していきたいと考えています。この度は、フィリピンを中心とする海外施工における【苦労話】や【気づき】をコラムとして書かせて頂き、少しでも皆様のお役に立てればと考えています。
フィリピンの電力事情において、外せない話題と言えば【停電】です。フィリピンでは、瞬間的なものから長時間のものまで日常茶飯事に停電が発生します。停電が起きれば、経済損失も莫大なものとなり、生活をする上でも不便で仕方ありません。
実際に当社スタッフが現地入りしている際にも停電は頻発していました。何事かと現地スタッフに話を聞いたところ、「雨がいっぱい降ったからかな?停電が起きても誰も驚かないよ♪レストランではテーブルにローソクを焚いて、おしゃれな雰囲気でみんな食事を楽しむのさ!」といった具合なのです。
フィリピンで頻発する停電ですが、なぜ長年にわたって改善されないのでしょうか。また、その原因はどこにあるのでしょうか。
まず第一に【慢性的な電力不足】があげられます。下記表から読み取れるように、各地域において供給余力は極めて低い状況となっています。これでは、台風等のトラブルが起きた際にカバーできない状況になってしまいます。
第二に、【配電の不整備】があげられます。フィリピンの街中でよく見る光景ですが、電線が蜘蛛の巣のように絡み合って張り巡らされています。驚くことに、これらの電線の中には【盗電線】が含まれているとのこと。フィリピンでは、他の家の電線から電気を盗み使用することが頻発しているのです。さらに驚くことに、盗電配線を行い電気を販売する業者がいるそうです。全使用電力のなかで5%が盗電による電力使用とも言われているようです。
第三に【計画停電】があげられます。フィリピンでは前述した通り、そもそも電力供給量が不足しています。このような状況で、突発的な停電が起こらないように計画的に数時間ずつ電気をストップさせコントロールしているのです。また、下記表に記載されているように他の電力先進国と比較した場合には、水力発電の電源率が高くなっています。フィリピンはご存知の通り、熱帯地域となります。暑さゆえに水不足となる事も少なくない状況です。水不足となれば地域によっては約半分を占めている、水力発電が機能しなくなってしまうため、電力供給量はさらに低下してしまうのです。
第四に、【停電時の復旧経路】があげられます。日本は世界的にも停電時間が短いとされています。この理由は災害等で停電が発生した際、遠隔監視で他経路から電気を供給するシステムがあるからです。また、電力供給量に関しても災害時用に10%程度の余剰電力を確保しているのです。これらの理由から日本では停電が少なく、また停電が起きたとしても早急な復旧が可能となっています。
ところがフィリピンでは停電が発生した場合、遠隔監視で他経路から電気を供給するシステムはありません。その為、故障現場に作業員が向かい復旧作業を行う事になるのです。
今回、フィリピンにおける電力事情:停電編をご案内いたしました。次回は世界的に高額とされているフィリピンの【電気代】についてです。
エグチホールディングスではフィリピンのグループ企業において、太陽光発電設備の販売・設計・施工・資材販売を行っております。海外におけるエネルギー事業については、なんでもご相談下さい。
海外エネルギー事業の事なら
エグチホールディングス株式会社
電気代が高い
消費電力が少ない