国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、世界全体の再生可能エネルギー産業における雇用が2016年の時点で980万人以上まで増加し、エネルギー別では、昨年に引き続き2016年も太陽光がトップで、前の年に比べ12%増となる310万人の雇用を占めていたと発表した。
※ 「Renewable Energy and Jobs – Annual Review 2017」より発表 http://www.irena.org
太陽光事業において、雇用拡大が続いている要因はひとつではありません。まず言えるのは、電力を作るうえでのコストが、太陽光発電では年々下がっていることが言えます。太陽光パネルや架台などが大量生産され、価格が下がっている事。さらには効率的な発電を生み出す仕組みが次々と開発され、技術革新が行われています。世界中の需要に応えるべく、太陽光事業のコストダウンが進むことで、より普及しやすいコストレベルになっています。
またコストダウン以外にも、国をあげて再生エネルギー事業の活発化を推進する国が増えています。このことにより、政策による支援が更なる追い風となっています。
世界全体での再エネ関連雇用の62%がアジア圏によるもの。これは電力自給率を上昇させていきたいアジア諸国において、太陽光発電設備の設置が増えたこと。更に太陽光パネルや各種部品の製造拠点が、マレーシアやタイにおかれ、雇用を創出していることも大きな要因の一つと考えられる。
IRENA・アミン事務総長は、「再エネの導入が今後も継続的に進められれば、再エネ分野の労働者数は2030年までに2400万人に達する可能性もある」という見解を示している。アジア圏以外にも、太陽光普及率が高いヨーロッパ諸国や、メガソーラー建設が進むインドやアフリカなど、世界中で太陽光をはじめとする再エネ関連での雇用増大が期待されている。