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【SDGs】どう考える?「電子」と「紙」、これからの書籍のあり方


17の目標と169のターゲットを掲げ、2030年のゴールを目指してさまざまな取り組みが進められている「SDGs」。教育や医療、貧困、ジェンダー、環境、エネルギーなど、その目標は実に多岐にわたり、そして複雑に絡み合っています。全てを均等に、そして平等に実現して達成するためには当方もない努力と労力、そして多くの国や人々の協力が不可欠です。

 
しかし複雑に絡み合うがゆえに、「A」を実行すれば、逆に「B」に影響を与えてしまう可能性があるケースも。そのひとつとして、「電子書籍」と「紙の書籍」が挙げられます。そこで今回は、これからの書籍の在り方とSDGsについて考えてみたいと思います。

 

環境も資源も経済も産業も教育も、「電子」と「紙」の間で揺れる


電子書籍が登場してから、その売り上げは年々上昇しています。逆に紙の書籍の売上が落ち、ネット通販の普及とも相まって街の書店が姿を消していくという状況にあるなど、大きな影響が見られます。

 
環境や資源の観点から見れば、紙の書籍よりも電子書籍のほうが好ましく映ります。しかし「書籍」のあり方として、全てが電子書籍で良いのか、それは常に議論の対象となっているのです。

 

「電子書籍」と「紙の書籍」で絡み合うSDGs

SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」や、目標15「陸の豊かさも守ろう」において、資源を多く使用する紙の書籍は好ましくない見方がされるケースがあります。いっぽうで電子書籍によって出版業界などに影響が出ることは、目標8「働きがいも経済成長も」や目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」などへの影響も考えられます。

 
環境に配慮し、便利になることは良いことですが、それに伴う影響はゼロではありません。電子書籍と紙の書籍は、そういった事柄が絡み合っているのです。

 

「電子書籍」と「紙の書籍」、それぞれが持つ良さとは

電子書籍と紙書籍には、それぞれの良さがあります。前述したように、環境や資源の保全・保護を考えると、紙の書籍よりは電子書籍のほうが良く、保管場所を取らないことからも好んで電子書籍を選ぶ方も少なくありません。また電子書籍はセールがおこなわれるケースも多々あり、紙の書籍よりも安価で入手できるという魅力があります。

 
いっぽう、紙の書籍にも良い点は多くあります。手元に保管ができる、カバーやカバー裏を楽しめる、限定版や特装版といった特殊な形での販売があるといった点が挙げられます。また停電や媒体の故障などに影響されず、読みたいときに読めるという点も、紙の書籍ならではないでしょうか。

 

「電子書籍」による影響

近年、電子書籍の売り上げが伸び、出版業界の「出版不況」は深刻になりつつありました。しかし『鬼滅の刃』のメガヒットの影響で、「出版不況」にあえぐ出版業界においてはコミックス(紙の書籍)の売り上げが伸びるなど、これまでの動きとは異なる様相も。『鬼滅の刃』だけではなく、『呪術廻戦』や『東京卍リベンジャーズ』といった漫画業界での快進撃が続き、コミックスの売り上げが大きな伸びを見せています。

 
しかし電子書籍が中心となっていくことによる、書店の閉店や、出版業界・印刷業界などへの影響も無視できません。大量の返本や在庫を抱え、逼迫する経営状況にある出版社もあります。

 

「電子書式」と「紙の書籍」との違い

電子書籍と紙の書籍では、当たり前のことですが「電子書籍用の媒体で読む」と「紙の本を読む」という、大きな違いがあります。また同じ「ページをめくる」「文字を読む」行為でも、電子と紙では大きな違いがあると言われます。また表示する媒体の違いによって、眼球の動きや記憶の仕方にも違いや影響があるとも。このように、電子書籍と紙の書籍の違いについての科学的な研究も多く発表されています。

 
電子も紙も、どちらも「書籍を読む」ということに代わりはありませんが、「紙の書籍」であることが重要になるケースもあります。たとえば小さな子どもへの絵本の読み聞かせは、電子書籍よりも紙の絵本を、というケースです。

 
子ども向けの絵本では、シンプルに物語だけのものもありますが、なかには「仕掛け絵本」も多く見られます。実際に子どもが手で触って、仕掛けが発動して、その仕掛けを理解し楽しむ、そういった体験は電子書籍ではできません。また付録付きの書籍も同様で、付録で何かを作る、付録で楽しむことが目的の書籍は、やはり電子ではなく紙になります。

 
いっぽう電子書籍においては、雑誌のサブスクサービスや漫画のレンタルサービスなども多く利用されています。安価で多くの書籍を読める便利さは大きな魅力で、多くの人々が活用しています。

 
また電子化されない書籍、逆に紙媒体での発売がされない書籍などもあるため、電子と紙の両方を上手に活用する人々も少なくありません。電子書籍と紙の書籍にはさまざまな違いがありますが、その違いを活かした形で共存しているのです。

 

「電子書籍」と「紙の書籍」、2030年以降も共存できれば


電子書籍と紙の書籍に関する話題は尽きず、さまざまな媒体でよく取り上げられています。実際のところ、「電子書籍が正義」「紙の書籍は排除すべき」というようにどちらかに優劣を付ける必要はありません。

 
その上でSDGsの目標と課題をどうクリアしていくのか、綺麗な着地点が見つかることが望まれますが、それを見つけるのは決して容易ではなく、2030年のゴール以後になるかもしれません。電子書籍と紙の書籍、双方の長所と短所をうまく活用しつつ、長く共存していくことが最も好ましいのではないでしょうか。

 
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。

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