大塚製薬が製造・販売する「ポカリスエット」は、1980年の販売当初から40年以上にわたって人々に愛されているスポーツドリンク。ポカリスエットと言えば、ペットボトルや粉末を想像しますが、2022年の7月12日から「イオン」や「イオンスタイル」にて「リターナブルびん」による販売が開始されました。
ポカリスエットがリターナブルびんで販売されるニュースは、さまざまな形で大きな反響を呼んでいます。リターナブルびんは再使用できるため、古くから日本でも使われていますが、SDGsへの取り組みが進められている今、あらためて注目が集まっています。
そこで今回は、「リターナブルびん」にスポットを当てて見ていきたいと思います。
SDGsが掲げる17種類の目標には、環境や資源に言及しているものが多くあります。環境や資源を保護・保全するためには、リサイクルやリユース、リデュースといった「3R」も重要視され、世の中のさまざまな「物」において実施されています。
「3R」はSDGsにおいては大変大きな取り組みのひとつ。しかしSDGsがスタートするよりもずっと前から、そして「3R」という言葉ができる前から、同様の取り組みが進められているのが「びん」なのです。
リターナブルびんとは、店頭などで回収後にびんを洗浄、再度中身を詰めて再使用するびんのこと。牛乳やビールなどのほか、日本酒や醤油、酢など、さまざまな形で使われています。何年ものあいだ繰り返し使用されたあとは粉砕され、新たなびんとして使用されるケースが多く見られます。
いっぽう、資源回収などで回収されるびんは、細かく粉砕してリサイクルされます。何度も同じびんを使うリターナブルびんと比べ、「再利用」の形が異なります。
リターナルびんも含めたガラスびんでは、「3R」が可能です。国内外を問わず、ガラスびんへの対応はSDGsの取り組みとしても大きく注目されています。国内においては「ガラスびん3R促進協議会」や「日本ガラスびん協会」などで、以下のように積極的なSDGsの取り組みを紹介し、ガラスびんの3Rを進めています。
これらガラスびんの3Rでは、資源の再利用やゴミの削減になるだけではなく、軽量化にともなう移動時のエネルギー使用量削減・CO2削減にも繋がっています。世界が抱える資源問題・環境問題にも大きく貢献していることは間違いありません。
SDGsの目標においては、実に7項目に関連。資源や環境の問題だけではなく、産業や技術革新、まちづくりなどにも深く関わっています。
ガラスびんの歴史は大変深く、数千年も前から存在しています。現代ではガラス以外の容器も増え、やや重量があり割れるガラスよりも、ペットボトルなどを好む人は少なくありません。
しかしそんなガラスびんは再利用するものであると、多くの人々が昔から知っています。わたしたちが最初にそれを意識したのは、子どものころに学校で出会った「牛乳びん」だったというケースも多いのではないでしょうか。
世代や出身地、出身校の給食状況によって異なる可能性はありますが、給食として提供される牛乳はその多くがびんに入っています。牛乳の空きびんは回収し、洗浄して再利用。そのため、少しくすんだ古いびんに出会えることもありました。
またビールびんや酒類のびんも同様で、昔は近所の酒屋に持って行くと、びん代として数十円が返金されていました。現代はスーパーやコンビニ、大型酒店などが増えたほか、資源回収でびんを回収してくれることなどから、酒屋でびんを返却する様子はあまり見られなくなりました。
とくに現代は、ビールびんやお酒のびんなどを酒屋に返却することを知らない子どもたちが多くいます。もし機会があれば、ぜひお子さんを連れて、「酒屋でびんを返却」する様子を見せてあげてはいかがでしょうか。
リターナブルびん・ガラスびんは、日本人にとっても古くから慣れ親しんだ存在です。飲料や調味料、食品をはじめ、さまざまな形で身近にあり、自然と手に取っています。古くから慣れ親しんだびんは、同時に3Rの形を早くから実践していた存在でもあります。
改めてSDGsを身近な場所で取り組もうとするとき、リターナブルびん・ガラスびんは必ず意識する大きな存在です。今一度、身近にある「びん」と、その3Rについて考えてみてはいかがでしょうか。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。