緑豊かだった土地が劣化し、植物の育ちにくい環境になってしまう「砂漠化」。日本には土地の劣化による砂漠がないため(※)、砂漠化や干ばつについてなじみがありませんが、世界ではとても深刻な問題として取り上げられています。
こうした砂漠化の進行を防ぐことは、SDGsの15番目の目標である「陸の豊かさを守ろう」にも深く関わっています。SDGs以前より砂漠化の問題はありましたが、SDGsで改めて問題への対策が重要な課題として認識されたとも言えるでしょう。砂漠化を防ぎ、SDGsの目標を達成するためには砂漠化を理解することが大切です。
そこで今回は、砂漠化の原因と環境に及ぼす影響について解説いたします。
※日本には伊豆大島に「裏砂漠」という砂漠が存在しています。「裏砂漠」は三原山の火山灰が積み重なってできた砂漠で、今回取り扱う一般的な「砂漠」とは、その成り立ちが異なります。
「砂漠化」は、もともと植物が育っていた土地が、気候変動や人間活動によって不毛の土地になってしまう現象です。現在でも砂漠化は進行しており、そこで暮らす人々や植物の生活環境が失われています。
特に危険視されているエリアは、以下の3つです。
このなかで、地表面積の約41%を占める「乾燥地域」が最も砂漠化の影響を受けており、生物多様性や自然資源の喪失が起きています。また、砂漠化の進行は乾燥地域で暮らす人々にも影響を与えるため、直ちに砂漠化対策を進めなければいけないのです。
砂漠化が進む原因は大きく分けて2つあります。
気候的要因には、気候変動や干ばつ、乾燥化などが含まれます。土地の水分が失われ、ひび割れが起こると砂漠化のスピードが加速してしまうのです。特に開発途上国で起こっている砂漠化が深刻で、サハラ以南のアフリカ諸国では雨や流水などによって地表が削られてしまう「水食(水蝕)」の影響を受け、砂漠化が進んでいます。
また、人為的要因も砂漠化を引き起こす原因です。人為的要因には、ヤギやヒツジなどの過剰放牧や森林伐採、過農耕などが含まれます。土地の劣化や砂漠化が進むと人間の生産活動は大きくなり、さらに土地が荒れてしまうのです。
砂漠化は恐ろしいスピードで進行しており、世界で毎年1,200万ヘクタールもの土地が砂漠化しています。植生回復が難しくなると食糧の生産基盤が失われるため、貧困や移民問題、経済の不安定など、さまざまな社会問題につながることも考えられるのです。
また、砂漠化した土地では植物が育たないので、光合成による二酸化炭素の吸収もなくなり、生物多様性が失われてしまいます。砂漠化の影響は、砂漠化した国だけでなく地球全体に及びます。
砂漠化問題の解決は難しく、長期的に取り組まなければいけない問題です。生態系や生物の多様性を守り、誰もが暮らしやすい社会を実現することで、SDGsの15番目の目標「陸の豊かさを守ろう」を達成できます。
砂漠化を食い止め、自然の恵みを回復させるためには、私たち一人ひとりが環境問題に向き合わなければいけません。SDGsに関する情報を検索し、自分にできる取り組みを探すこともSDGsの達成へと結び付くアクションです。
大切なのは未来のために一歩を踏み出すことです。持続可能な社会を目指し、身近なところから行動を起こしてみてはいかがでしょうか。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。