わたしたちの身近にある「電気」。スイッチひとつで明かりがつき、夏や冬も部屋の温度を一定に保ってくれて、気持ちのいい生活ができるのも「電気」の力によるところが大きいですね。
では、わたしたちがふだん使っている「電気」とは、一体どんなものなのでしょうか。「静電気(せいでんき)」や「カミナリ」も電気なのでしょうか。
そこでひとつずつ、カンタンに説明いたします。
電気とは、ずばり「電子(でんし)」が自由に動くこと!
でも、いきなりそう言われてもよくわかりませんよね。まずは「電子」から順番に説明していきましょう。
「電子」とは、「原子核(げんしかく)」の周囲を回る、マイナスの電気を持っているもののことをいいます。原子核を地球、電子を月だと考えるとわかりやすいかもしれませんね。
また、「原子核」の中には、プラスの電気を持つ「陽子(ようし)」があります。
「原子核」とは、すべての物質をつくりあげる最初の単位「原子(げんし)」の中心にあるものです。さきほどの陽子のほかに、「中性子(ちゅうせいし)」と呼ばれるものがあり、それらによって原子核がつくられています。
電子の数と、陽子の数は同じ。つまり、プラスの陽子とマイナスの電子とで中性になるというわけです。
電子は原子核のまわりを回っていますが、何かの刺激を受けることで飛び出してしまう電子もあるのです。そんな、原子核からはなれて自由になった電子を、「自由電子」と呼んでいます。
その自由電子が、「電気」なのです。
冬になるとパチっと痛い静電気(せいでんき)や、光りながら鳴りひびくカミナリも電気です。そして、静電気は小さなカミナリでもあります。
そんな静電気とカミナリのことを、とてもカンタンに説明していきますね。
下じきをこすって静電気を起こし、かみの毛をくっつけて遊んだことはありませんか? 静電気は、モノとモノがこすれ合う摩擦(まさつ)によって起こります。こすり合わせたことによって飛び出した電気が静電気です。
静電気にはプラスとマイナスがあります。静電気を起こすモノによって違いますが、プラスとマイナスどうしでは引き寄せ合い、プラスとプラス、マイナスとマイナスではおたがいにはね返し合います。まるで磁石みたいですね。
カミナリは、雲のなかで小さな氷の粒がこすれあい、そこで発生した静電気がたまったものです。雲の下のほうにマイナスの電気がたまり、それに引きよせられたプラスの電気が地面にたまっていきます。
よく「高いところにカミナリが落ちる」といいますね。あれは、高いところにプラスの電気が集中してしまうからなのです。そこにマイナスの電気が引きよせられて、電気の通り道ができ、電気が通ることでカミナリとなるのです。
電気は目には見えないけれど、わたしたちのすぐそばにいつもあります。電気のしくみはむずかしいものですが、ほんの少しだけでもそのしくみを知っているだけで、身のまわりにある「電気」がもっと身近なものに感じられるのではないでしょうか。
静電気やカミナリが起こったら、どんなしくみで起こるのか、ぜひ思い出してみてくださいね。