2012年に固定買取価格制度が施行されてから太陽光発電は急激に拡大しています。そんな太陽光発電の現在の課題といえば「設置用地の確保」となっています。「設置場所さえあれば・・・」と頭を抱えている発電所オーナーさんや業者さんは多くいるのではないでしょうか。今回は、建物の屋根を借りて太陽光発電を設置する「屋根貸し」について詳しく考えていきましょう。
固定買取価格制度が普及し、ここ数年で太陽光発電所は急激に拡大していきました。太陽光発電で生みだした電力を、20年間電力会社が固定金額で買い取る仕組みを利用し「売電」で収益を上げるこのスキームは、安定的な収益を生みだすとして多くの投資家を魅了してきました。しかし現在では、「設置用地がない」という状況に陥っています。日当たりがよく、土地価格が安い。また「空き容量」と言われる電力系統に余力がある土地を探し出すことは容易ではないのです。多くの発電事業者は「用地不足」に頭を抱えているのです。
産業用太陽光発電所は、一般的に広大な土地に太陽光パネルを敷き詰め、クリーンエネルギーとして電気を生みだします。すなわち民家が集中するエリア等では、広大な土地は少なく基本的には郊外での建設が主となります。しかし太陽光発電が拡大していく中で、郊外での設置用地が見つけられない状況が続きました。そこで注目が集まったのが「屋根」です。大型建築物の屋根を利用すれば、クリーンエネルギーである太陽光発電を更に拡大することが出来るのです。
実際に屋根貸しとはどのような仕組みなのでしょうか。その名の通り、発電事業者は建物所有者から屋根を借ります。そして発電事業者は自らの費用で太陽光発電設備を設置し、生みだした電力を電力会社に売電して収益を得るのです。この際、建物所有者は所有物である屋根を貸している為、一定の賃料を受け取ることが出来るのです。もう一つのパターンとしては、建物所有者から発電事業者が屋根を借りて太陽光発電を設置し、発電事業者から建物所有者に電力を販売するというものです。
貸し手の屋根貸しのメリットとしては、今まで収入を生みだすことが無かった屋根から、20年間の賃料を得られる事です。また停電時などには非常用電源として電力を使用することが可能です。さらには、発電設備を設置する際に行う防水工事によって屋根の寿命が延びることや、夏場の冷房効果の向上が期待できること、CO2削減として企業PRに利用可能などがあげられます。デメリットとしては、20年間の長期賃貸契約と賃料相場の安さです。20年間の契約になる為、もしもの時に備えた契約が必要となります。また屋根貸しの相場は決して高くはありません。あくまで相場ですが1㎡あたり100~300円/年間となります。
どんな屋根でも太陽光発電の屋根貸しが可能というわけではありません。基本的には十分な日射量が確保できることが最低条件であり、自然災害リスクといわれる豪雪や台風等の接近回数が少ない事。また、学校や地方自治体等の公共施設の屋根や中階層マンション、大型倉庫などが屋根貸しに向いているとされています。戸建て住宅や高層マンション、屋根の面積が1000㎡以下のものは対象外とされることが多いようです。賃借期間は20年間で設定される為、契約後20年間に改修が必要な建物も不向きとされています。
屋根貸し太陽光発電において、新たなビジネスモデルが誕生しています。まず発電事業者は住宅屋根に太陽光発電を設置します。この際、設置費用は発電事業者が負担し、発電所の所有権は発電事業者となります。屋根を貸し出した住民は、太陽光発電で生みだした電気を発電事業者から購入します。そして契約期間が終了した後には、発電設備の所有権が住民へと移るのです。つまり、契約期間終了後は無償で発電設備が譲渡されるというものです。これらのモデルは駐車場屋根などでも広がりを見せているようです。
屋根貸しに限らず土地は購入するよりも賃借の方が、当然初期費用が少なく済みます。最近では初期費用の低さから賃借での発電所建設が増加しているようです。また電力自由化によって、多くの事業者が電力業界に参入しています。10年後には電力業界の仕組みそのものが大きく変わるという声もでており、今後の太陽光発電を含む再生可能エネルギーの動向に、引き続き注目が集まっています。
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