太陽光発電の次に拡大が期待されている再生可能エネルギーと言えば「バイオマス」と答える人が増えています。森林面積が豊富な日本ではありますが、太陽光ほどの拡大が可能なのでしょうか。現状と今後の課題を探っていきましょう。
「バイオマス」とは、動植物等から作り出される有機性のエネルギー資源です。一般的には、そのエネルギー資源を燃焼して発電するしくみを「バイオマス発電」といいます。バイオマス資源を燃焼することでタービンを回し、発電機を動かすことで発電を行います。多くは間伐材などの木材を燃料とします。
バイオマス発電は再生可能エネルギーといっても、太陽光のように燃料が無限且つ無料ではありません。使用する燃料は有限であり、大量に且つ安定的にバイオマス資源を確保しなければなりません。メリットは、燃料確保経路が確立していれば電力を安定的に供給できること。そして各地域のバイオマス燃料を活用することで、今まで捨てていたものに価値を見出し、地元にも利益をもたらすことができる点です。少子高齢化による過疎地域での雇用創出にもつながり、過疎地域の経済活性化や森林整備に一役買う事も期待されています。
日本では国土の3分の2が森林です。森林蓄積量は約49億m³となっており、過去と比較しても増加傾向にあります。しかしながら森を整備するために必要な間伐では、そのほとんどの間伐材が山に放置されており、有効活用されていません。理由は搬出や運送に費用が掛かる為です。現在日本では、多くの事業者がバイオマス発電に取り組みはじめています。しかし固定買取制度のなかで実際に稼働しているのはわずか57万kWに過ぎません。一方で、国が掲げる2030年のエネルギーミックスでは約600〜700万kWのバイオマス発電の導入が見込まれています。これは再生可能エネルギーのなかでも水力、太陽光に次ぐものです。国としてはバイオマス発電拡大を各制度を通して後押ししていくものとみられます。
バイオマス発電は太陽光や風力とは異なり、発電には燃料が必要になります。この燃料の調達こそが、バイオマス発電の最大の課題です。
国内の林業に目を向けた場合、慢性的な人材不足から十分な労働力が得られていません。すなわち燃料の安定調達も、労働力不足が足を引っ張っているとも言えます。まずは国として、林業に対するサポートを手厚くしていく事が必要かもしれません。またバイオマス発電の安定稼働には国内の燃料だけでは間に合わないという見方が多くなっています。バイオマス発電を安定的に稼働させるには、輸入材を仕入れていく必要があるのです。根本的な再生可能エネルギーの観点から言えば、「燃料を買う」という事実は一つの懸念事項となり得ます。仮に現時点で輸入材を安価に仕入れることが出来たとしても、需要が上がれば材料が高騰する可能性があります。また為替の問題も発生する為、信憑性のある収支シュミレーションを組み立てづらいという問題も発生します。
再生可能エネルギーを考えるうえで、発電効率という言葉をよく耳にします。発電効率とは、再生可能エネルギーをどれだけ電気エネルギーに変換できたかという割合です。つまり、発電効率が高いほど理想的なエネルギーであり、効率的な発電方法ということになります。太陽光発電では約20%。風力発電では20~40%。再生可能エネルギーの中で最も発電効率が高いのが水力発電の約80%です。バイオマス発電は約20%と言われており、再生可能エネルギーの中では平均的な発電効率と言えます。しかしながら、バイオマス発電はまだまだ発展途上です。今後更なる技術革新が起こり発電効率が向上すれば、バイオマス発電の拡大の可能性が高まるのではないでしょうか。
バイオマス発電は期待の大きい再生可能エネルギーですが、現状では解決すべき課題がいくつもあります。そもそも燃料を燃焼させる時点で 多くの二酸化炭素を発生させています。また前述した通り、燃料を購入する必要がある為に懸念事項が多いと言えます。基本的には「利用されていない木材や廃材を燃料にする。」という理念ある再生可能エネルギーですので、今後の技術革新ならびに燃料調達経路の確立が解決されれば、2030年のエネルギーミックスで約600〜700万kWのバイオマス発電の導入が現実となるかもしれません。
エグチホールディングスでは、再生可能エネルギーの可能性を信じ、その可能性を最大限に拡大させていきます。太陽光発電では土地の取得から、資材調達、設計施行、メンテナンスまで一括請負が可能です。太陽光発電の事でお困りの際は、お気軽にお声掛けください。
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