沖縄の八重山列島に属する西表島は、島の大半を占める大自然が魅力で、毎年多くの観光客が西表島の自然を体感するために訪れています。その西表島の北にある「鳩間島」も近年注目度が高まり、20年ほど前と比べると観光客の数は大きく増えて、西表島と共に鳩間島を訪れるという方も少なくありません。
今回はそんな鳩間島にスポットを当ててご紹介します。
鳩間島は西表島の北へおよそ5.4kmの位置にあり、石垣島から直行の船で45分ほど、西表島の上原港経由の船で1時間15分ほどで到着する離島です。西表島を訪れている場合は、上原港から15分ほど。八重山の島を巡る際にも、鳩間島は比較的立ち寄りやすい離島と言えるでしょう。
鳩間島は人口およそ50人ほどの小さな島で、他の観光地と比べると「観光地らしさ」が少ない島です。しかし魅力的なポイントも多く、前述したとおり観光客が大きく増えています。鳩間島の魅力について見ていきましょう。
小さな鳩間島に多くの人々が集まるイベントがあります。その名を、「鳩間島音楽祭」。毎年ゴールデンウィークの5月3日に開催されるこの音楽祭は、実に20年以上の歴史があります。2020年と2021年は新型コロナウィルス感染症の影響で中止になりましたが、多くの人々が鳩間島音楽祭の再開を心待ちにしています。
鳩間島音楽祭は、1997年に鳩間島の歌手・加治工勇(かじくいさむ)さんたちによって始められました。民謡やフォーク、伝統芸能など、どの世代でも楽しめる多彩なジャンルの音楽が鳩間島に響き渡るお祭りです。この音楽祭を目的に鳩間島に旅行をする方もいるほど、島外からも人気があります。
鳩間島は美しい海とアオサンゴ群落、ほぼ手つかずの浜など、自然が大変魅力的。その魅力は八重山や沖縄内だけにとどまらず日本中に知られているほどです。
その理由のひとつが、かつて放映された「瑠璃の島」というテレビドラマです。「瑠璃の島」は鳩間島をモデルにした「鳩海島」が舞台のドラマで、2005年に日本テレビ系で放映されました。21時台という多くの人々が視聴する時間帯ということもあり、鳩間島の魅力が一気に日本中に広がったのです。
「瑠璃の島」というタイトルのとおり美しい瑠璃色の海が広がる鳩間島は、どの場所も景観が素晴らしく、多くの人々に愛されています。島の周囲もおよそ4km弱ほどしかないため、徒歩やレンタサイクルで観光しやすい点も大きな魅力。鳩間島を訪れた人々は、島の隅々まで存分に楽しむことができます。
鳩間島の観光は、ゆったりとおこなうことをおすすめします。徒歩やレンタサイクルで島内を巡ります。遊歩道やビーチをのんびり散策し、鳩間島の景色や自然を堪能しましょう。舗装されていない道が多いため、レンタサイクルの運転には通常以上の注意が必要です。不安な場合は、徒歩で巡ると良いでしょう。
シュノーケリングもできますが、どちらかと言えば「奇跡の島」と呼ばれる「バラス島」でのシュノーケリングツアーが多く、バラス島と鳩間島と西表島を巡るツアーを利用する方も少なくありません。
ただ、前述の通り鳩間島は観光地という雰囲気は大変少ないため、地元の人々への配慮が必要です。また浜に落ちているサンゴや砂などは持ち帰らないようにし、島の環境と自然に影響のないように過ごすようにしましょう。
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瑠璃色の海が美しい鳩間島は、海だけではなく砂浜や空も目が覚めるような美しさがあります。徒歩で巡れてしまう小さな島ですが、その小さな面積以上に魅力的な自然や景観があふれています。
西表島を訪れた際には、ぜひ少し足を伸ばして鳩間島も楽しんでみてはいかがでしょうか。鳩間島ならではの、おだやかでゆったりとした時間を過ごすことができますよ。