最初に中国で新型コロナウイルスが確認されてから、およそ2年が経過しました。日本ではこの2年のあいだに数回もの緊急事態宣言が発令されたほか、変異株の感染拡大もあり、2021年の年末を迎える現在でも、まだ世界的な終息・収束は見られません。
このおよそ2年のコロナ禍において、SDGsへの影響は大きく、さまざまな方面で問題が生じています。2030年の達成に向けて足踏みしかねない状況とも言えるでしょう。
今回は2021年11月現在における日本のコロナ禍によるSDGsへの影響について、その一例をご紹介いたします。
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2021年11月現在、日本では新型コロナウイルスの感染者数の減少が続いています。しかし感染者数が減少しているとはいえ、確実に第6波が来るとも言われており、年末年始に向けて油断はできません。また新たな変異株「オミクロン株」の発生により、世界的に緊張が高まっています。
コロナ禍による生活や日常へのさまざまな影響は、誰もが感じていることでしょう。新型コロナウイルスというひとつの感染症がもたらした影響は、大変大きなものとなり世界中を覆い尽くしています。
日本ではどのような影響があるのか、SDGsの目標に関わる身近なものを見ていきましょう。
日本は健康保険のシステムが優秀ですが、しかしコロナ禍においてはそれすら揺らぎかねない事態が多々生じています。感染拡大による医療崩壊や、自宅療養中の死亡など、痛ましい事例が多く発生いたしました。自宅療養中に出産してしまい、新生児が死亡した事例は二度とあってはならないことです。
また医療崩壊とは別の側面でも、「全ての人」が「健康と福祉」に手が届かない事態も起こっています。最近ではがん患者(診断および治療を受けた患者)の減少について報じられましたが、これもコロナ禍の影響が顕著に表れている事例です。
がん患者の減少と聞くと、「健康な人が増えた」と錯覚してしまいます。しかし実際は、新型コロナウイルスへの感染を避けるための「受診控え」によって生じているものであり、決して純粋にがん患者数が減ったというわけではありません。むしろ早期発見・早期治療に繋がらず、手遅れになるケースが生じる危険性があるのです。
これはがん患者に限ったことではなく、基礎疾患がある患者や、何らかの病気を発症した患者も同様です。受診控えによる基礎疾患が悪化したケースや、治療が遅れてしまうケースが多く見られます。
教育におけるコロナ禍の影響は、2020年春の緊急事態宣言による休校から直接的に生じています。家庭環境における学習への格差や、オンライン授業による弊害、また留学生の来日や渡航への影響など、さまざまな問題が挙げられます。
とくに留学生に関する問題は、新しい変異株「オミクロン株」に対する入国停止の発令によっても混乱が発生。誰もが等しく、そして質が高い教育を受ける機会が著しく奪われています。
また心療内科医や臨床心理士によれば、コロナ禍に入ってからストレスをためたり、心のバランスを崩したりする子どもが増えているとのこと。学業への影響が子どもの心に影を落とすケースが見られ、教育の現場において幅広いケアが求められています。
コロナ禍による経済活動への影響は深刻で、この2年弱で多くの企業や店舗などが倒産・閉店しました。それに伴う雇用減は多くの人々に打撃を与えています。いっぽうで、コロナ禍において潤った業種があるのも事実。働きがいと経済成長のバランスを保つことが難しく、日本全体の経済状況を見てもどこか歪な様相となっています。
コロナ禍による大きな影響を受けた業種のひとつに、ブライダル業界が挙げられます。感染拡大を受けて結婚式のキャンセルや、結婚式を挙げない選択が増加。海外ウェディングを扱う企業においては、その影響が顕著に表れています。
また前項にも重なりますが、家庭の経済状況によって大学への学費を支払えずに中退してしまう学生が増えています。働きがいと経済成長、そして教育への意欲さえ失うという深刻な状況を招いているのです。
駆け足で三項目、ピックアップいたしました。これらは比較的身近な事例であり、誰もが報道で知っていたり、実際に身の回りで起こっている事例もあることでしょう。2020年4月の記事、「【SDGs】新型コロナウイルスによるSDGsへの影響の一例」から1年半。コロナ禍は当時よりもより深刻かつ、大きな影響を世界に与え続けています。
新たな変異株も発生し、まだコロナ禍に終わりは見えません。SDGsへの影響もまだ続くことは確実で、だからこそSDGsへの取り組みを絶やすことなく進めていく必要があります。SDGsへの影響と、わたしたちができる取り組みには大きな差があるかもしれません。まずは目の前の、できることからSDGsに取り組んでみることが大切です。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。