身の回りのさまざまな場所で使われている電池。おもちゃやスマートフォン、自動車にも電池が使われ、電気と同じようになくてはならない存在です。そのなかでも、一番よく知っている電池は「乾電池(かんでんち)」ではないでしょうか。あんなに小さな乾電池に電気がこめられているなんてフシギですよね。
そこで今回は、電池は何からできているのか、電池のしくみをカンタンに解説していきます。
電池は「プラス極(きょく)」と「マイナス極(きょく)」、そして「電解液(でんかいえき)」からできています。この3つが化学反応(かがくはんのう)を起こすことで、電気が生まれるのです。
電解液とは、電気を起こすために大切な仕事をする液体です。電池の種類によって、使われている電解液がちがいます。
化学反応とは、「物質(ぶっしつ)」がほかの物質に変化する反応のことです。ひとつの物質で反応が起こることもあれば、ふたつ以上の物質で反応が起こることも。たとえば、わたしたちがふだん飲んでいる水も、「水素(すいそ)」と「酸素(さんそ)」というふたつの物質の化学反応によってできています。
電池には、「一次電池(いちじでんち)」と「二次電池(にじでんち)」があります。わたしたちがふだんよく使う乾電池は一次電池。また、スマートフォンやゲーム機などに使われている、充電ができる電池は二次電池です。
つまり、使いすての電池か、充電して何度でもくり返し使える電池かということですね。
化学反応ときくと、電池はまだ新しいモノのように感じますね。しかし、世界最古の電池はおよそ2000年前以上前に作られているのです。
「バグダッド電池」と呼ばれるつぼ型の電池で、バグダッド(イラク首都)にあるホイヤットラブヤ遺跡で見つかりました。電気を起こすためではなく、金属に加工をするために作られたと言われていますが、しくみなどは電池と同じものです。
2000年以上も前に電池が作られていたなんて、とてもすごいことですね。
化学反応を起こす電池のしくみを解説しましたが、化学反応ではなく光や熱のちからを利用する電池もあります。
「太陽電池」という名前を聞いたことはありませんか? その名のとおり、太陽電池は太陽の光を利用する電池。太陽光の大きなエネルギーを、電気へと変えるのです。他には、熱のエネルギーを利用する「熱電池」や、原子力(げんしりょく)エネルギーを利用する「原子力電池」があります。
化学反応を利用する電池は「化学電池(かがくでんち)」、光や熱のエネルギーを利用する電池は「物理電池(ぶつりでんち)」と呼ばれています。
電池は2000年以上も前から人間が使い続けている、大切なエネルギーのひとつです。しかし、ふだん乾電池を使うときにはあまり気にしないことかもしれません。コンセントにつながずに使える道具があるのも、すべて電池のおかげです。古くから人間の生活をささえてくれた電池ですから、これからも大切に使い続けていきたいですね。