くり返し使える「再生可能エネルギー(さいせいかのうエネルギー)」のひとつに、「太陽エネルギー」があります。太陽エネルギーは太陽光発電(たいようこうはつでん)に役立てられ、わたしたちの身近にあるエネルギーとしてよく知られています。
太陽の光を利用して発電をする、太陽が出ているあいだだけ発電ができるなど、これまで太陽エネルギーや太陽光発電についてご紹介してきました。テレビや新聞、学校の授業などでも取り上げられることがあり、太陽エネルギーについて知っている人は多いことでしょう。
では太陽エネルギーの源(みなもと)である太陽についてはどうでしょうか? そこで今回は、太陽について解説していきたいと思います。あの強いエネルギーはどこから来ているのか、見ていきましょう。
太陽はおよそ46億歳。そして地球のおよそ109倍もある半径は、およそ70万kmもあります。地球とくらべるととても大きな星ですね。宇宙には、太陽よりももっと大きな星がたくさんあるんですよ。
わたしたちの地球は、太陽を中心とした「太陽系」に存在しています。そして太陽系も太陽も、「天の川銀河(銀河系)」のおよそ2000億個あるといわれる星のひとつです。天の川銀河はさらに、宇宙にあるおよそ2兆個もの銀河のうちのひとつ。そう考えると、ちょっと気が遠くなってしまいますね。
太陽は「恒星(こうせい)」とよばれる種類の星です。恒星とは、自分で光を発しているガス体の星のこと。地球から見た月も光っていますが、月は太陽の光を反射(はんしゃ)しているため光って見えるのです。宇宙から見た地球も、地球から見る火星や金星なども、太陽の光を反射して光って見えます。
夜空に浮かぶ星々には、太陽と同じ恒星や、地球のように恒星の光を反射している星があるんですよ。
太陽はとても高い温度の星です。表面温度はおよそ6000度もありますが、中心へいくにつれて温度はさらに上がっていきます。中心部では、およそ1500万度にもなるといわれているんですよ。そして一番温度が低い「黒点(こくてん)」とよばれる部分でも、およそ4400度あります。
太陽が出している熱と光のひみつは「核融合反応(かくゆうごうはんのう)」です。太陽で起こっている核融合反応は、水素ガスがヘリウムガスに変化するというもの。この核融合反応によって、1500万度もの熱と、地球まで届く強い光エネルギーが発生しているのです。
よく「あの星までは○光年(こうねん)かかる」という言葉を耳にします。これは、星までの距離を光が届く速さで表したものです。10光年であれば、光の速さで10年かかる距離を示しています。そして10光年先の星の光は、10年前にその星が発した光ということになるのです。
光の速さは、1秒でおよそ30万キロメートル(地球を7周半)進むというおどろくべき速さ。太陽と地球のあいだの距離はおよそ1億5千万㎞もあり、太陽まではおよそ8分で着いてしまう計算になります。つまり太陽の光が地球に届くまでには、およそ8分の時間がかかるのです。ふだん、わたしたちが見ている太陽は8分前のものなのですね。
遠くはなれた場所から、宇宙をかけめぐって地球に届く太陽の光。8分かけて届いた光はとても熱く、エネルギーであふれています。地球の生命はそのエネルギーがなければ誕生しませんでした。そして太陽エネルギーは太陽光発電をはじめとしたさまざまな形で、わたしたちの生活を豊かにしてくれています。
外を歩けば、屋根の上や屋上に太陽光発電のパネルがある建物を見かけることでしょう。太陽光パネルを見つけたら、わたしたちの生活や歴史になくてはならない太陽と、太陽エネルギーについて考えてみてくださいね。
※太陽の光はとても強いものです。肉眼(にくがん)で直接太陽を見ないようにしましょう。