わたしたちがふだん使っている電気ですが、思いがけず「停電(ていでん)」してしまうことがあります。発電所に原因があったり、落雷(らくらい)や災害、その他の理由で電線が切れてしまったり。家の電気を使いすぎて「ブレーカー」が落ち、自分の家だけが停電してしまうこともあります。
停電すると、電気が必要な全ての「道具」が使えなくなってしまいます。生活のなかで電気が使えなくなると、とても不便(ふべん)ですよね。では電気が使えないと困る場所で停電してしまったら、どうなるのでしょうか?
電気が使えないと困る場所はたくさんあります。今回はそのなかでも、病院で停電したらどうなるのか、見ていきましょう。
さまざまな機械が使われ、人の命をあずかる病院。病院で使われる機械は、電気で動いているものばかりです。
大きな病院や小さな病院、町医者など、「医療機関(いりょうきかん)」はたくさんあります。とくに大きな病院になると、使われている機械の種類が増えます。そして大きな手術(しゅじゅつ)もたくさんおこなわれていますし、重い病気やケガをしている患者(かんじゃ)さんも多く入院しています。
病院が停電してしまうと大変ですが、停電しても治療(ちりょう)ができるように、停電対策(ていでんたいさく)がされているんですよ。
病院にはディーゼルエンジンで発電する「自家発電装置(じかはつでんそうち)」や、電気をためておくことができる「蓄電池(ちくでんち)」などがあります。そのため停電が起こっても、すぐに機械が止まることはありません。
近年は、「太陽光発電(たいようこうはつでん)」を取り入れ、ソーラーパネルを設置(せっち)している病院も増えてきました。これらの設備によって、停電しても12時間~72時間(※)は大丈夫なのです。
自家発電装置や蓄電池、太陽光発電があれば、病院の周辺が停電してしまっても安心ですね。
※発電装置などの規模(きぼ)や、使用する電気の量などによって異なります。小さな病院や、町医者には発電装置がない場合もあります。
病院にもしも自家発電装置や蓄電池がなかったら、停電によって病院はどうなってしまうのでしょうか。
手術中の場合は手術ができなくなります。機械で体の状態を管理している患者(かんじゃ)さんは、機械の補助(ほじょ)がなくなり、命が危険な状態になってしまいます。電子カルテを使っていれば、患者さんのカルテも確認できず、診察や治療(ちりょう)にも時間がかかるようになるでしょう。
このように少し想像(そうぞう)しただけでも、病院にとっての停電がどれほど恐いものか、わかりますね。実際に停電が起こると、想像以上のことになってしまうのは間違いありません。それをさけるために、自家発電装置や蓄電池、太陽光発電を取り入れているんですね。
今回は病院が停電したらどうなるのか、停電対策などについてご紹介しました。病院以外にも、停電してはいけない場所はたくさんあります。
消防署(しょうぼうしょ)や警察署(けいさつしょ)はもちろん、たくさんの情報(じょうほう)をとどけるテレビ局やラジオ局、他にも数えたらキリがありません。もちろん、電気を作っている発電所もそうですね。それぞれが停電にそなえて対策をしています。
わたしたちの家庭(かてい)では、災害にそなえて対策をしますが、停電だけについて考えることはあまりないでしょう。そこでおすすめしたいのが、あたたかい日を選んで電気を使わない生活をしてみることです。数時間でもいいので電気を使わない生活をして、停電について家族で考えてみてくださいね。