わたしたちの家庭で使っている電気は、電力会社が発電した電気がほとんどです。なかには屋根の上に設置(せっち)した、ソーラーパネルで作った電気を使っている家庭もありますが、それはごく一部のこと。多くの家庭は、電力会社が発電した電気を使っています。交通機関(こうつうきかん)や商業施設(しょうぎょうしせつ)など、多くの場所でも同じです。
いま、「CO2フリー(シーオーツーフリー)」の電気が注目されています。これはわたしたちが使っている電気と同じですが、少しちがう電気。今回は「CO2フリー電気」についてご紹介します!
「CO2フリー電気」とは、発電するときに「CO2」を出さない電気のこと。「CO2」は人間がはく息にふくまれていますが、モノを燃やすときにも出てしまいます。つまり「二酸化炭素(にさんかたんそ)」のことなんですね。
では、どんな発電方法でCO2が出てしまうのか、CO2が出ない発電にはどんなものがあるのか見ていきましょう。
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発電方法には、「火力発電(かりょくはつでん)」や「原子力発電(げんしりょくはつでん)」、「水力発電(すいりょくはつでん)」などさまざまなものがあります。それらのなかで、CO2が出てしまう発電方法には「火力発電」があります。
火力発電の燃料(ねんりょう)は、石油や石炭、天然ガスなどの「化石燃料(かせきねんりょう)」。これらを燃やすことで発電していますが、そのときにCO2が発生します。
CO2が出ない発電方法はたくさんあり、「水力発電」や「太陽光発電(たいようこうはつでん)」、「風力発電(ふうりょくはつでん)」など、おもに「再生可能エネルギー(さいせいかのうエネルギー)」による発電があります。
「原子力発電」もCO2を出しませんが、2011年の「東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)」が起こってしてからは、いまの日本では稼働(かどう)している原子力発電所はとても少なく、そのほとんどが休止しています。
CO2は「地球温暖化(ちきゅうおんだんか)」の原因とも言われています。発電や工場など人間の生活から出た大量のCO2によって、「温室効果(おんしつこうか)」が起こり、地球の気温が高くなっているというのです。
このため、世界中でよぶんなCO2を出さないように努力が続けられています。そのうちのひとつが、再生可能エネルギーの利用や、CO2フリー電気の利用です。
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いま、CO2フリー電気の販売(はんばい)を始めている電力会社もあります。企業(きぎょう)に向けてのプランや、家庭に向けてのプランなど、さまざまな計画が立てられているのです。
CO2フリー電気は、太陽光発電や水力発電を多く利用。また家庭や企業などのソーラーパネルで発電し、あまったものを買い取って利用するなど、環境にやさしい電気を使います。CO2フリー電気の電気料金は、通常の電気料金より少し高くなるとのこと。しかし、安全で環境に優しい電気への期待は高まっています。
CO2フリー電気に欠かせないのは、再生可能エネルギー。太陽光や水力、風力など、くり返し使えて、環境に優しいエネルギーたちです。地球温暖化への対策(たいさく)はもちろん、東日本大震災後からよりいっそう注目が高まっています。
そんななか、各電力会社や企業、科学者たちがCO2フリーの電気をどう活用(かつよう)していくか試行錯誤(しこうさくご)をくり返しています。火力発電や自動車、開発が進んでいる電気飛行機(でんきひこうき)の燃料に「水素(すいそ)」を使えないかという試みや、宇宙で発電した電気を地球に送れないかという研究などもそのひとつ。
これからもっとCO2フリーが進み、再生可能エネルギーがより注目されていく未来が来るのかもしれないですね。
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