2011年3月11日に発生した「東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)」から、8年が経ちます。今なお復興(ふっこう)が終わらない場所も多く、地震の被害の爪痕(つめあと)がたくさん残っています。
日本は災害大国、毎年のように大きめの地震が起こったり、台風や豪雨(ごうう)による風水害などで大きな被害が発生しています。いつどこで、なにが起こるのかがわからない、それが災害です。とくに日本ではこれから「南海トラフ地震」や「首都直下地震(しゅとちょっかじしん)」をはじめ、大きな地震が起こると言われている場所がたくさんあります。
そこで今回は、災害が起こったときに気をつけたい、「電気」の防災(ぼうさい)についてまとめました。これまでもご紹介してきた内容を、ピックアップしています。
災害が起こったとき、電気に関する被害(ひがい)でまず考えられるのが「停電(ていでん)」です。それから、電柱(でんちゅう)が倒れたり、電線が切れてしまったり。電気には、気をつけたいことがたくさんあるのです。
災害で停電したときには、電気が復旧(ふっきゅう)したときに発生する「通電火災」に注意が必要です。地震などで電源コードが破損(はそん)していたり、電気ストーブやアイロンなどのスイッチが入ったままになっていたり。そんな状態で電気が復旧すると、そこから火災が発生してしまうことも。
災害時に停電した場合や、避難所(ひなんじょ)に避難するときは、まずブレーカーを落とすようにしましょう。ブレーカーを戻すときは、電源コードの状態や家電製品の状態をチェックしてからにしてくださいね。
停電したとき、まずは懐中電灯(かいちゅうでんとう)を使うことでしょう。しかし、ロウソクを使う家庭も多くあります。ロウソクを使うときは、倒れないような工夫が必要です。
ロウソクより高さのあるコップに入れる、大きめのお皿の上に立てる、周囲に燃えるようなものを置かないなど、火災への対応をしてください。
とくに地震による停電の場合は、余震(よしん)が発生します。ロウソクが倒れやすい状態になってしまいますので、できればロウソクは使わない、使うなら倒れない・燃え移らないような工夫をしましょう。
地震などの災害では、自宅から離れた避難所に避難することもあるでしょう。また、外を歩いていて地震に遭遇(そうぐう)することも考えられます。大きな地震では建物や電柱も倒れてしまうことが多くあります。
避難するとき、倒れた電柱や切れた電線には近づかないようにしましょう。遠く離れた場所にあっても、もし路面がぬれていたときは注意するようにしてください。
地震が発生したときに、マンションやビルなどにいた場合、避難には絶対にエレベーターを使わないようにしましょう。また、地震が発生したときにエレベーターのなかにいた場合は、次のような対応をします。
【地震のゆれがあってもエレベーターが停止していない場合】
すぐに全ての階のボタンを押し、停止した近い階で降りるようにしましょう。
【「地震時管制運転装置(じしんじかんせいうんてんそうち)」がある場合】
「地震時管制運転装置」があるエレベーターは、地震のゆれを感知すると近い階に自動で向かい、トビラを開けてくれます。
【エレベーターが停止してしまい、閉じ込められた場合】
上の対応が難しいときは、インターホンや非常ブザー、携帯電話(けいたいでんわ)などを使って、外に連絡をして救助を待ちます。トビラや天井、床などをむりやりこわさないようにしましょう。
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今回ご紹介したのは、電気に関する防災のほんの一部です。地震を始めとした災害は、「想定内(そうていない)」はありません。「想定外(そうていがい)」のことが起こる、それが災害なのです。つねに災害への備えをしていても、想定外のできごとにあわててしまい、備えをいかしきれないことがあります。
今回ご紹介した電気の防災も、頭の片隅に入れておくようにしましょう。とくに通電火災に関することがらはなおさらです。家のなかのよく見えるところにメモを貼っておいたり、普段から家族で「もしものときにはどうすればいいか」を話合っておけるといいですね。