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【電気と防災】阪神淡路大震災の「電気」のはなし

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1995年1月17日の5時46分52秒に発生した、「阪神淡路大震災(はんしんあわじだいしんさい・※)」。淡路島北部(あわじしまほくぶ)を震源とし、兵庫県や周辺の地域に大きな被害をもたらした災害(さいがい)です。20年以上も前の大震災ですが、その後の防災を大きく変えた災害でした。

 
阪神淡路大震災の被害は大きく、死者・行方不明者は6,437名にものぼります。それだけではなく火事や鉄道の脱線、高速道路の倒壊(とうかい)、多数の家屋の倒壊などもありました。今回は、阪神淡路大震災の「電気」にまつわるお話をいくつかご紹介します。

 
※気象庁発表の正式名称は、「平成7年(1995年)兵庫県南部地震(へいせい7ねん ひょうごけんなんぶじしん)」です。

 
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【阪神淡路大震災】大規模停電や通電火災、電話にならぶ人々

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阪神淡路大震災の最大震度は7。地震のゆれは兵庫県周辺にとどまらず、東北から九州まで、広いはんいにわたっています。そして電気や水道、ガス、電話などのライフラインはとだえてしまいました。

 
地震による大きな被害のなか、電気に関係するものとして「大規模停電(だいきぼていでん)」や「通電火災(つうでんかさい)」があげられます。また、電話にならぶ人々のすがたも印象的(いんしょうてき)でした。

 
※画像は神戸市の東遊園地にある、「震災発生時の時刻を示す時計をもつマリーナ像」です。時計が5時46分を指しています。

応急送電完了まで7日間かかった大規模停電

阪神淡路大震災では、大規模な停電が発生しました。1日でも早く全ての停電を解消(かいしょう)するため、関西電力(かんさいでんりょく)では休むことなく対応を続けたといいます。「応急送電」が完了したのは、震災から7日後。人々に電気を届けるために他の電力会社からも、4,700人の「戦力」がかけつけました。東北や九州、実に日本中から関西電力に「電気のプロ」たちが集まり、停電解消に向けて動いたのです。

 
また、彼らは停電を解消するだけではなく、「ライトアップ作戦」を開始。それは、人々が避難(ひなん)を続けている避難所などに街灯をとどけるというものでした。ほかにも炊き出しやボランティア、物資をとどけたり給水活動(きゅうすいかつどう)をするなど、関西電力の社員さんたちは走り続けたそう。自衛隊(じえいたい)や消防(しょうぼう)など、「災害派遣(さいがいはけん)」で知られる人たち以外も、こうして地震直後の復旧・復興作業に走り回っていたのです。

 
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大規模な火災、その原因には通電火災が

30代以上の世代では、当時テレビで流れた「大火災」の映像を覚えている人もいるのではないでしょうか。阪神淡路大震災では火災も多く発生、木造住宅を中心に多くの家屋が火災で失われました。それらの火災の原因は、「通電火災(つうでんかさい)」が多かったのです。

 
通電火災とは、停電から復旧したときに発生する火災のこと。たとえばスイッチを入れたままのアイロンや電気ストーブ、倒れた家具で痛んだ電源コードなどに電気が通ることで、火災が発生してしまうのです。避難をするときにブレーカーを落としていくことが大切ですが、当時は通電火災についてあまり知られていませんでした。

 
しかし大きな地震があったときに、ブレーカーを落としてから避難するよゆうがないかもしれません。倒れた家具などで、ブレーカーまでたどり着けないことも。そんなときのために、現在では「感震ブレーカー(かんしんブレーカー)」などの便利グッズが登場しています。

 
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携帯電話がなく、電話にならぶ人々の長い列が

当時はインターネットもなく、テレビやラジオ、新聞のニュースが全てでした。早朝に起きた地震の被害などもすぐにはわからず、正しい情報がなかなか得られないことも。ライフラインがとだえたことで、電話も使えなくなりました。

 
当時は携帯電話(けいたいでんわ)もまだ普及(ふきゅう)しておらず、持っている人はとても少なかったのです。そのため、連絡手段(れんらくしゅだん)がなく、安否確認(あんぴかくにん)が難しい状態でした。

 
そこで避難所(ひなんじょ)などに「仮設電話(かせつでんわ)」が設置(せっち)され、人々は長い列を作って電話をかける順番を待っていました。携帯電話やインターネット、それにともなう災害用伝言ダイヤルなどが普及している現代からは、想像がつかないのではないでしょうか。

 
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【電気と防災】日本は災害の多い国

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今回は「阪神淡路大震災」の「電気」のお話をピックアップしてご紹介しましたが、日本は地震や台風など災害の多い国です。2018年は風水害や地震が多く、北海道胆振東部地震(ほっかいどういぶりとうぶじしん)では、北海道全域が停電する「ブラックアウト」が起こりました。

 
災害が起こると、切り離せないのは電気関係のトラブルです。停電は電力会社にたよるしかありませんが、通電火災など自分たちで防げるものも。1月17日や3月11日をはじめとした大災害の日には、テレビで特集を組むことが多くあります。過去の災害を振り返り、どんな被害があったのか、どうすれば防げるのかを親子で考えてみてくださいね。

 
※画像は「神戸港震災メモリアルパーク」から見た夜景です。
※神戸港震災メモリアルパーク:被災した「メリケン波止場」の一部を、そのまま保存している公園です。

 
<参考資料>
気象庁:「阪神・淡路大震災から20年」特設サイト
神戸新聞NEXT:データでみる 阪神・淡路大震災
関西電力:阪神・淡路大震災~応急送電までの7Days
神戸市:生活あんぜん情報「通電火災ってご存じ?」
内閣府:防災情報のページ 災害史・事例集「阪神・淡路大震災教訓情報資料集」

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