世界中の空を飛んでいる飛行機。人を運ぶ旅客機(ゆそうき)や、物資(ぶっし)を運ぶ輸送機(ゆそうき)、軍隊が使う戦闘機(せんとうき)など、飛行機にはさまざまな形があります。大きな鉄のかたまりが空を飛ぶなんて、よく考えたらとてもすごいことですね。そんな飛行機ですが、「電気」の力で飛ぶ「電気飛行機」の開発(かいはつ)が進められています。
電気飛行機とはどんなものなのか、ちょっと気になりますよね。そこで今回は電気飛行機について、カンタンに見ていきましょう!
世界的に「EVシフト」という動きがあります。これはわたしたちが乗る車を、ガソリン車から電気自動車へと切りかえていこうという大きな動きです。電気自動車はよく見かけるようになりましたが、電気飛行機はちょっとピンと来ませんよね。
電気飛行機も「二酸化炭素(にさんかたんそ)」を出さないとして、実用化に向けて実験と開発が進んでいます。そんな電気飛行機は本当に実現できるのか、そして電気飛行機とはどんな飛行機なのでしょうか。
電気飛行機についてはまだ実験の段階。飛ぶことはできるものの、まだ長い距離を飛ぶことはできません。しかし少しずつ開発は進み、ノルウェーの企業(きぎょう)の責任者(せきにんしゃ)が、「ノルウェーの国内路線(こくないろせん)をすべて、2040年までに電気航空機にする」と発言しました。
本当に実現できるのか、それは2040年にならなければわかりません。しかし「2040年に実現できる」と言い切れるほど、電気飛行機の開発が進んでいるということにもなりますね。
気になるのは、電気飛行機の電源(でんげん)ですよね。電気飛行機の電源として開発・実験がすすめられているのは、「電池」や「燃料電池」、「太陽電池」、モーターとエンジンをいっしょに使う「ハイブリッド」など。さまざまな形で、電気飛行機の電源が考えられ、開発が続けられています。
いま開発されている電気飛行機は、どれくらいの速さで飛べると思いますか? 旅客機は、時速800kmほどで飛んでいます。実際はもっと速く飛べますが、安全に飛ぶためには最高速度を出すわけにはいかないのです。
いっぽう電気飛行機は、時速340kmが最高記録とされています。ふつうの旅客機とくらべると、半分以下の速さ。速さや性能などではまだまだふつうの旅客機には勝てませんが、これからどうなっていくのか、楽しみでもありますね。
ちなみに日本の新幹線(しんかんせん)でもっとも速いのは、東北新幹線の「はやぶさ」E5系で、時速320kmで走ることができるんですよ。電気飛行機と近い速さですね。
これまで海外でおこなわれていた電気飛行機の開発。しかし日本でも、これから電気飛行機の開発がスタートするのです。
2018年7月1日に宇宙航空研究開発機構(うちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこう・JAXA)が、「航空機電動化コンソーシアム」を発足(ほっそく)しました。これは、日本の企業6者といっしょに、電気飛行機の開発をするというもの! さらには経済産業省(けいざいさんぎょうしょう)も協力するとのことで、とても期待したくなりますよね。
日本はちょっとスタートが遅れた電気飛行機開発。いつか電気飛行機が日本の空を飛ぶ日が来るかもしれないですね。