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宇宙で発電した電気を地球に送る!夢のような研究の話


国際宇宙ステーション(こくさいうちゅうステーション)や人工衛星(じんこうえいせい)では、太陽のエネルギーで電気を作っています。作り出した電気は、それぞれが活動をするために使われていますが、それを地上に送ることができたらステキだと思いませんか?

いま、それを実現させるため「遠隔給電システム(えんかくきゅうでんシステム)」の研究がおこなわれています。そんな夢のようなシステムは、いつごろ実現するのでしょうか。

 

遠隔給電システムってなに?どんなことができるの?


発電された電気は、電線やケーブルを使って送られています。すでに電線などのいらない「ワイヤレス給電(きゅうでん)」はありますが、遠く離れた場所まで多くの電気を送ることができるものではありません。

しかし、いま研究されている「遠隔給電システム」は、それをはるかにこえようとしています。

宇宙から地上まで、どうやって電気を送るの?

宇宙から地上までを繋ぐ、長いケーブルを作るわけではありません。宇宙と地球をつなぐ、「宇宙エレベーター(※)」を作ろうという計画もありますが、それを利用するわけでもありません。

遠隔給電システムは、宇宙で発電された電気を「高周波帯(こうしゅうはたい)」の「電波(でんぱ)」に変えて、地上に送ろうというシステム。電波に変えられた電気は、宇宙の発電システムのアンテナから送られます。それを地上側のアンテナで受け取って、ふたたび電気に戻すのです。

※「軌道(きどう)エレベーター」とも呼ばれています。

日本の研究チームが開発中!

研究を進めているのは、2014年にノーベル物理学賞(ぶつりがくしょう)を受賞した、名古屋大学の天野浩教授(あまの・ひろし きょうじゅ)のチーム。

天野教授は、「高品質結晶創製技術(こうひんしつけっしょうそうせいぎじゅつ)」の発明でノーベル賞を受賞しました。青色LEDに必要な技術を世界で初めて発明し、世界中から注目を集めた人物なのです。

実現するのはまだずっと先のこと、まずは3年後をめざして

遠隔給電システムが完成するのは、まだずっと先のこと。いまはまだ、宇宙から地球まで送ることはできません。実現させることすらむずかしい技術なのです。しかし、それを実現させる未来が少しずつ見えてきました。

天野教授の結晶化技術を活用することで、遠隔給電システムに必要な部品のパワーアップに成功したのです。まずは3年後にドローンへのワイヤレス給電が実現するよう、そこをめざして研究が進められています。

これは、2018年1月4日の中日新聞朝刊の一面でも大きく取り上げられました。新聞の一面に取り上げられるほどの、とてもすごい研究だということがわかりますね。

3年後のワイヤレス給電も、数十センチというほんの少しの距離でしかありません。それくらいむずかしく大変なシステムですが、そのたった数十センチが、宇宙から地球への送電に向けた大きな一歩になります。

 

遠隔給電システムで変わる、電気やエネルギーの未来


宇宙から地上に電気を送ることができるまで、たくさんの年月と研究が必要です。しかし、実現すればわたしたちの生活は大きく変わります。

世界中の電気のない地域への支援や、災害のときのライフライン、身近なところでは電気自動車への給電など、世界的に見ても大きな変化があるでしょう。生活を豊かにするだけではなく、地球温暖化対策(ちきゅうおんだんかたいさく)にもつながっていきます。

いますぐ実現するわけではありませんが、子どもたちが大人になったとき、そしてその子どもたちがさらに大人になった未来につながっていく研究です。電気やエネルギーの未来がこの研究でどう変わっていくのか、今からとても楽しみですね。

参考:中日新聞2018年1月4日朝刊「電波で送電、生活革命 名大・天野教授挑む」

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