「スマーとフォンの電波(でんぱ)が悪い」という言葉を、よく耳にします。なんとなく、「スマーとフォンをつなげるためのもの」というイメージはできると思いますが、「電波ってなに?」ときかれれば、ちょっと説明がしにくいものですよね。
「電波」はさまざまなものに使われ、わたしたちの生活はもちろん、宇宙開発(うちゅうかいはつ)などにも欠かせないもの。そこで今回は「電波」についてカンタンに解説します!
電波は「電」が名前につくことから、電気のなかまであることがわかりますね。「電気の波」と書いて電波というように、電気エネルギーが空間に伝わることをいいます。そんな電波は「電磁波(でんじは)」と呼ばれるもののひとつ。
電磁波とは空間のなかにある電界(でんかい)と磁界(じかい)と呼ばれるものが、お互いにえいきょうしながら作られる波なのです。ちょっとむずかしいですね。
電波は電磁波のなかで、周波数(しゅうはすう)が低いもののこと。そんな電波ですが、私たちの身の回りでは大活躍(だいかつやく)しているんですよ。
※画像は野辺山宇宙電波観測所(のべやまうちゅうでんぱかんそくじょ)の電波望遠鏡(でんぱぼうえんきょう)です。
電波には音や絵を乗せて運ぶことができるため、わたしたちの身近にはいつも電波があります。では、どんなものに電波が使われているかわかりますか?
これらは電波が使われているもののうち、ほんの一部です。身の回りにあるものも多いですね。ふだん見ているテレビの映像や音も、電波で送られてきます。目に見えない電波が、目に見える映像を送ってくれるなんて、フシギな感じがしますね。
スマートフォンやラジオなど、使う場所によってつながりにくい、聞こえにくいと感じることがありませんか?
それは電波が「電気を通しやすい」ものに反射(はんしゃ)してしまっているからです。また雨などの湿気に当たって曲がってしまったり、吸収(きゅうしゅう)されてしまったりすることも。
このように電波には反射したり、曲がったりする性質(せいしつ)があり、それを利用した使い道もたくさんあるんですよ。
気象衛星(きしょうえいせい)や、宇宙を調査する探査機(たんさき)から送られてくる映像(えいぞう)を、テレビやインターネットで見ることができます。それらの映像も、電波が運んでくれるのです。
また「電波望遠鏡」では、宇宙の星から届く弱い電波をキャッチして、観測(かんそく)することができます。そうして届いた電波によって、宇宙の姿がわかるのです。この電波望遠鏡は、とても大きなパラボラアンテナ。日本には60メートルを超えるサイズの電波望遠鏡もあるんですよ。
現代のわたしたちの生活は、電波のおかげで成り立っています。気象衛星から届くデータで天気を予想したり、テレビで情報(じょうほう)を知ったり、スマートフォンや携帯電話でどこでも電話することができたり。電波に助けられていると言ってもいいくらいです。
電波は目に見えないものですが、すぐ近くでわたしたちを助けてくれる大事な存在。どんなものに電波が使われているのか、身の回りにある「電波」を親子で探してみると楽しいですよ。
※画像は世界一の電波塔(でんぱとう)、東京スカイツリーです。