小学3年生の理科で初めて電気に触れた子どもたちは、4年生になるとさらに一歩進んだ学習をします。3年生では電池と豆電球を使った実験から、「回路」について学び、電気を通すものや通さないものなどを知っていきました。
自分の手で電池と豆電球を繋いで明かりをともすことで、新たな驚きと発見を得た子どもたち。そうして学んだことを活かし、より深く電気について知るチャンスが4年生になると訪れます。
そんな小学4年生が理科の授業で学ぶ電気について、今回は「小学4年生編」としてご紹介します!
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4年生では3年生より一歩前に進み、レベルアップ。単純に電池と豆電球を繋ぐのではなく、電池のはたらきや回路のしくみ、電池の並び方などより深い内容になります。乾電池だけではなく「光電池」という電池も使い、検流計の使い方も学ぶなど、子どもたちの知的好奇心を刺激する実験が多くおこなわれていくのです。
乾電池に豆電球やモーターをつなげて、乾電池の働きを知る実験をします。3年生のときのようにただ豆電球に明かりとともすだけではありません。豆電球をより明るくするにはどうすればいいのか、モーターの回転数を上げるにはどうすればいいのかを考えていく実験をします。
豆電球やモーターの実験で乾電池の数を増やしたとき、乾電池の並べ方やつなぎ方によって、豆電球やモーターにどんな変化が起こるのか観察をします。その過程で、乾電池の「直列つなぎ」と「並列つなぎ」を学ぶのです。
並列つなぎでは何も変わらず、直列つなぎにしたときに豆電球はより明るく、モーターはより回転数を上げることを実験で知ることができます。さらに発展させ、乾電池を逆につなぐことでモーターが逆回転することにより、電気の流れる方向についても学びます。
この実験のなかで「回路」のことを深く知っていきます。直列つなぎと並列つなぎ、それぞれの回路を作成することで、電気の通り道である回路や、回路の役割を学習するのです。
4年生では、「光電池」を使った実験もおこなわれます。光電池とは、太陽電池と同じもの。太陽の光を光電池のパネルに当てることで電気が起こるのです。これをモーターにつなぎ、光の強さによってどう変化があるのか、観察・実験をしていきます。
光の当たる角度を変えたり、遮蔽物で影を作ってみたり、鏡の反射で光電池に当たる光を増やしたりと、さまざまな方法を使って違いを観察していくのです。
また光電池とモーターをつけて走る、「ソーラーカー」の実験をおこなうこともあります。
乾電池や光電池の実験の際に、回路の途中で「検流計」や「電流計」を置いて「電気が通っているか」を確認し、使い方も学びます。とくに検流計は微量の電流にも反応するため、「モーターは動いていないけれど、ごくわずかな電気は流れている」といったことも判別できます。
検流計や電流計を使った実験は、電気の流れる方向や電気の量について、「目に見える形」で理解することができるので、子どもたちにとって大変興味深い実験となることでしょう。
3年生と4年生の学習内容を比べると、一気にレベルが上がったように感じますね。しかし子どもたちは、レベルが上がった内容であっても、授業のなかで実験を通して子どもたちなりの理解をしていきます。たった一年のあいだに、子どもは大きな成長を見せるのです。
回路の仕組みなどをすぐに忘れてしまったとしても、「電池の並べ方によって力が変わる」「太陽の光で電気が起こる」といったことは知識として残ります。そしてテレビ番組で扱う電気の話題も、少しずつ理解できるようになっていきます。そうして得た知識を、周囲の大人が大切にしてあげたいですね。