「電気」をはじめとした「エネルギー」は、日本だけではなく世界中で使われています。いまでは当たり前のように使っている電気ですが、日本で初めて灯りがともった日からまだ140年ほどしかたっていません。電気というエネルギーを取り入れた生活は、世界の歴史やエネルギーの歴史のなかでも、まだまだ「最近」のことなのです。
くらしに深い関わりのある「エネルギー」の歴史には、「エネルギー革命(エネルギーかくめい)」とよばれるものがあります。今回はそんな「エネルギー革命」についてご紹介します!
「エネルギー革命」とは、エネルギーのもととなる「エネルギー源(エネルギーげん)」に大きな変化があること。いま、エネルギー源の中心にあるのは「石油(せきゆ)」ですが、石油を使い始める前はちがうエネルギー源を使っていました。
※画像は「油田」です。
石油を使い始める前のエネルギー源は、「石炭(せきたん)」でした。1950年ごろ、中東(ちゅうとう)の国々で大きな「油田(ゆでん)」がいくつも見つかり、世界は石炭から石油へとエネルギー源を変えていったのです。
エネルギー源が石油になることで、さまざまな変化がありました。エネルギー効率(えねるぎーこうりつ)も上がり、車や飛行機などの発達、産業が発達するなど、めまぐるしく世界は変わっていったのです。
では石炭の前のエネルギー源は一体何でしょう。それは、「木炭(もくたん)」です。木炭から石炭になることで、蒸気(じょうき)の力を使う「蒸気機関(じょうききかん)」が発達。それにともなう「産業革命(さんぎょうかくめい)」なども起こっていました。
エネルギー源が木炭から石炭に変わったことを「第一次エネルギー革命」、石炭から石油に変わったことを「第二次エネルギー革命」とよんでいます。エネルギー革命は産業や生活などにも大きな変化をもたらしているのです。
「スチームパンク」という言葉があります。これは、世界観(せかいかん)に蒸気機関が使われていた時代、とくにイギリス・ヴィクトリア朝などのイメージを取りこんだ物語のジャンルです。SFやファンタジーで多く見られ、発達した蒸気機関の数々や、歯車(はぐるま)などがよく登場します。
石炭から石油へのエネルギー革命が起こらなかったら、どんな世界になっていたのでしょうか。蒸気機関がさらに発達し、車や飛行機、そのほかさまざまな道具にも蒸気機関が使われて、スチームパンクの世界のようになっていたのでしょうか。想像してみると楽しくなりますね。
子どもと楽しめるアニメ映画でいえば、「天空の城ラピュタ」や「スチームボーイ」などもスチームパンクのひとつ。「エネルギー革命がなかったら」を想像しながら見ると、ちがった楽しみかたができますよ。
石油へのエネルギー革命が起こってから、まだ60年ほどしかたっていません。そんななか、「再生可能エネルギー(さいせいかのうエネルギー)」の利用や開発(かいはつ)が進み、エネルギーをとりまく環境(かんきょう)にも少しずつ変化が見られます。
エネルギー源が大きく変わることで、産業(さんぎょう)や科学(かがく)、そしてわたしたちの生活にも大きな変化が起こります。これからのエネルギーにどんな未来が待っているのか、とても気になりますね。