2017年12月から、日本人宇宙飛行士の金井宣茂(かない・のりしげ)さんが国際宇宙ステーション(こくさいうちゅうステーション・ISS)に滞在(たいざい)しています。ニュースや新聞でも、たくさん取り上げられていましたね。
宇宙からの動画メッセージや、Twitter(ツイッター)への投稿などもありました。どの映像や写真でも国際宇宙ステーションのなかはとても明るく、たくさんの機材が写っています。それらの機材にも、多くの電気が使われているのでしょう。では、国際宇宙ステーションで使われる電気は、どうやって用意していると思いますか?
今回は宇宙で使う「電気」について進めていきましょう。
宇宙は地球上とは違って、電線もありません。持ち込める電池にも限りがあります。つまり、電気を何らかの方法で作り出さなければなりません。
国際宇宙ステーションの表面には、「太陽電池パドル」があります。これは太陽の光を電気に変えるためのもの。宇宙空間でも太陽の光は当たりますから、それを有効利用しているのです。
地上から約400km上空の軌道(きどう)にいる国際宇宙ステーションには、昼と夜があります。いつも軌道上を動いているため、そのサイクルは1日に16回の昼と夜が来るというおどろくべきもの!
16回の昼のあいだに、太陽の光を集めて発電しているのです。夜になると、昼のうちにバッテリーにためておいた電気が使われています。
国際宇宙ステーションが太陽光で発電しているように、人工衛星(じんこうえいせい)も太陽光を利用しています。「太陽電池パドル」がいつも太陽の方を向くように、工夫もされているんですよ。
金井さんが仕事をするのは、「きぼう」という日本実験棟です。「きぼう」は実験モジュールのなかでも最大とされ、そこでさまざまな研究や実験が進められています。モジュールとは、国際宇宙ステーションを構成するパーツのこと。「きぼう」は日本が開発し、宇宙で組み立てられられました。
最大の実験モジュールですから、実験用の機材などもたくさんあります。きっと電気をたくさん使うことでしょう。しかし、「きぼう」には専用の太陽電池がないため、国際宇宙ステーションの本体で作られた電気をもらっています。
国際宇宙ステーションは、人間の科学の全てが集まっている場所。そんな科学の結晶ともいえる場所で、自然のエネルギーである太陽光を利用しているなんて、フシギな感じがしますね。
上の画像は、国際宇宙ステーションの軌道を撮影したものです。国際宇宙ステーションは、地上からでも肉眼で見ることができます。軌道などの条件が合い、よく晴れた日の出前か、日没後に空を見上げてみませんか?
JAXAのサイトで、国際宇宙ステーションの目視予想情報(もくしよそうじょうほう)が確認できます。ぜひ親子でチェックしてみてくださいね。
◇JAXA 宇宙航空研究開発機構公式サイト
宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター:「きぼう」を見よう
http://kibo.tksc.jaxa.jp/
※この記事内の情報は、2018年1月現在のものです。