日本のエネルギー資源はとても少なく、火力発電(かりょくはつでん)に必要な石油や石炭、天然ガスのほとんどは、海外からの輸入(ゆにゅう)によるもの。とても大きな船で運ばれてきます。しかし、日本でも採掘(さいくつ)できないというわけではありません。
発電などのエネルギー資源を全てカバーできる量ではありませんが、日本でも天然ガスや石炭が採掘できます。さらに、日本では採れないと思われがちの原油(げんゆ)も、国内に「油田(ゆでん)」があるんですよ。そこで今回は、日本にある「油田(ゆでん)」をいくつかご紹介します!
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「原油」とは、油田で採掘されたままのじょうたいのこと。採掘された原油は、「石油」や「灯油」、「ガソリン」などに加工されて使われるのです。「化石燃料(かせきねんりょう)」と呼ばれるもののひとつで、何億年も前の生き物が死んで海底にたまり、熱や圧力(あつりょく)、バクテリアなどによって変化したものだと言われています。
日本の油田は、秋田県や新潟県、北海道、日本海側に多くあります。現在も採掘を続けている油田や、すでに閉鎖(へいさ)されてしまった油田など、10カ所以上の油田が点在(てんざい)しています。
最初にご紹介するのは、秋田県秋田市の「八橋油田(やばせゆでん)」です。かつて国内で最も多く石油を作っていたこの油田。石油を作る量が少なくなった今でも、採掘が続けられています。この八橋油田がある地域(ちいき)では、古くから原油が出ていたことで知られ、「旭川油田(あさひかわゆでん)」や、「黒川油田(くろかわゆでん)」など、秋田県内にいくつかの油田があります。
続いてご紹介するのは、新潟県新潟市(にいがたけん・にいがたし)の北東の海上にあった、「阿賀沖油ガス田(あがおきゆがすでん)」です。ここでは原油だけではなく、天然ガスも生産されていました。採掘された原油やガスは、東新潟火力発電所などに送られ、利用されていたとのこと。現在はもう、原油などの資源がなくなってしまい、使われていません。
最後にご紹介するのは、「勇払油ガス田(ゆうふつゆがすでん)」です。原油とガスを生産するこの勇払油ガス田は北海道苫小牧市(ほっかいどうとまこまいし)にあり、発見されたのは今から40年ほど前の1988年のこと。生産を始めたのは1998年なので、ひかくてき新しい油田ともいえます。
日本で採掘される原油の量は、輸入している量とくらべてとても少ないもの。日本で使う石油の9割以上が、中東の国々から輸入しており、国内生産による石油は油田の周辺地域(しゅうへんちいき)にある発電所など、ごく限られた場所で使われています。
量はとても少なくても、石油に加工されて大切な資源として活躍している日本の原油。しかし日本の原油は、「日本書紀」にも「燃ゆる水」として登場するくらい、古くから知られているものです。日本は火力発電に使う資源のほとんどを輸入にたよってしまっていますが、日本のどこかで国産の原油が活躍(かつやく)しているなんて、少しうれしくなってしまいますね。