家庭で使っている照明(しょうめい)には、「白熱電球(はくねつでんきゅう)」や「蛍光灯(けいこうとう)」があります。そして近年は「LED」を使う家庭もふえてきました。LEDの照明は明るさの単位(たんい)や光の色など、これまでの白熱電球や蛍光灯とはちがう部分が多くあります。そのうちのひとつに電球を買うときに知っておきたい、「配光(はいこう)」というものがあるのを知っていますか?
そこで今回は、LEDの「配光」についてご紹介します!
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「配光」とは、光がとどく向きと強さのこと。この「向き」は「角度(かくど)」として表されます。白熱電球をLEDの電球に変えたとき、暗くなったと感じることがありませんか? それは、白熱電球とLEDのしくみのちがいによって、光がとどく向きもちがっているからなのです。
白熱電球の配光は、およそ300度もあります。天井からつるしたばあい、電球のまわりをほとんど明るくできる角度です。電球の形をした蛍光灯(けいこうとう)では少し配光が少なくなり、およそ260度ほど。同じく天井(てんじょう)からつるしたばあい、天井いがいを明るくてらすことができる角度です。
いっぽうLEDの電球の配光はさらに小さく、およそ120度ほどしかないものも。これでは、天井からつるしたときに、電球から下しか明るくできなくなってしまいますね。しかし、いぜんは配光の角度が小さいものが多かったのですが、今は配光の角度が大きいLED電球も登場しています。
LED電球には、パッケージに「ルーメン」や「〇〇ワット相当(そうとう)」といった明るさの目安が書かれています。そして見落としてはいけないのが「配光」についてのタイプ表示(ひょうじ)です。配光には3種類のタイプがあり、使う場所によってタイプを選ぶことをおすすめします。
「全方向タイプ(ぜんほうこうタイプ)」は、配光の角度がおよそ300度もあります。これは白熱電球とほぼ同じ角度。電球のまわりや部屋全体を明るくすることができるため、子ども部屋やリビングなど、明るさがひつような場所に選びたいですね。
「広配光タイプ(こうはいこうタイプ)」は、全方向タイプとくらべて明るくできるはんいがせまくなります。配光の角度はおよそ180度ですので、部屋全体を明るくできても、天井ふきんなどは少し暗くなりがちです。ダイニングをはじめ、玄関(げんかん)やろうか、階段(かいだん)などに選びたいタイプですね。
「下方向タイプ(したほうこうタイプ)」は文字通り、電球の下をてらすタイプの電球です。配光の角度はおよそ120度ですので、広いはんいを明るくすることはできません。このタイプの電球は、トイレやろうか、階段などに選ぶといいでしょう。
配光の角度によって、どれくらいのはんいをてらせるかが変わってきます。LEDの電球は白熱電球よりも電力を使わず、長持ちするもの。だからこそねだんも高くなっています。買ったのはいいけど、あまり広いはんいをてらすことができなかったらもったいないですね。
LEDの電球を買うときには、「ルーメン」や「〇〇ワット相当」など明るさの表示はもちろん、配光のタイプもしっかりチェックするようにしましょう。「子ども部屋にはこのタイプ」「玄関このタイプ」というように、親子でいっしょに楽しみながらチェックしてみてくださいね。