わたしたちの家をはじめとして、建物や道路、さまざまな場所に「電気」による明かりがあふれています。それらのおかげで夜でも明るく、かいてきな生活ができているのです。
また、夜景(やけい)がきれいなスポットがあったり、クリスマスイルミネーションを楽しんだり。それらを楽しむことができるのも、電気による明かりのおかげです。わたしたちの身の回りにある「明かり」には、「白熱電球(はくねつでんきゅう)」や「蛍光灯(けいこうとう)」、そして「LED」があります。それらのちがいを知っていますか?
今回は、3つの「明かり」のちがいについて見ていきましょう。
※画像は白熱電球です。
「白熱電球」「蛍光灯」「LED」は、明るく光る点では全て同じですね。しかし、それぞれしくみも寿命(じゅみょう)もまったくちがうのです。あなたの家にある明かりは、この3つのどれでしょうか? ぜひかくにんしてみてくださいね。
※画像は丸形蛍光灯です。他にも、筒型(つつがた)などさまざまな形があります。
白熱電球は、かつてエジソンが実用化に向けて大きく進化させたことでも知られていますね。この白熱電球は「ガラス管」「フィラメント」「ソケット」で作られていて、とてもやさしい色がとくちょうの電球です。フィラメントに電気を流すことで「ジュール熱」が発生します。そのジュール熱で高温になって出た光を使うのです。
寿命は1,000時間から2,000時間ほどと言われ、一日中つけていた場合、40日から80日ほどで切れてしまう計算に。あまり長持ちしないため、ひんぱんにこうかんしなければなりません。また、明かりをつけているあいだはエネルギーの大半を熱として出してしまうため、白熱電球を触らないように気をつける必要があります。
寿命は短いですが、そのやさししい色や光を調節しやすいというとくちょうから、白熱電球を使ったほうがいい場所もあります。
白熱電球よりも明るい蛍光灯は、「放電(ほうでん)」によって光っています。放電し、蛍光灯のなかを流れた「電子(でんし)」が、「水銀原子(すいぎんげんし)」とぶつかって紫外線(しがいせん)を生み出します。蛍光灯のなかには、他にも光を発する「蛍光物質(けいこうぶっしつ)」がぬられていて、そこに紫外線があたることで光るというしくみです。
蛍光灯の寿命は白熱電球よりもずっと多く、13,000時間ほどと言われています。これは一日中明かりをつけていた場合でも、540日ほど、つまり一年半も使えるということになりますね。
とても明るく、強い光を発生させるLED。その最大のとくちょうは、その寿命にあります。なんと、およそ4万時間もの寿命があると言われているのです。一日中使い続けても4年以上、ふつうの使い方なら10年もつと言われています。
値段は白熱電球や蛍光灯よりずっと高いですが、交換回数(こうかんかいすう)を考えると、逆に安くすむこともあるんですよ。また、白熱電球や蛍光灯よりも使用する電力が少ないというとくちょうもありますから、電気代も安くすむのです。
LEDには、「発光ダイオード」とよばれる半導体(はんどうたい)が使われています。その半導体に電気を流して光っているのです。この発光ダイオードの研究開発には日本人が関わっており、ノーベル物理学賞(ぶつりがくしょう)に日本人3名が選ばれました。
LEDは地球温暖化対策(ちきゅうおんだんかたいさく)に役立つと言われています。使用する電力が少ないことで、発電のときに出る二酸化炭素(にさんかたんそ)も減るというわけです。
さまざまな場所でLEDが使われ、わたしたちの生活にすっかりなじんできました。これからはLEDが主役とも言われています。いっぽうで、白熱電球や蛍光灯の明かりが好きで、ずっと使い続けたいという人々も。
将来、使われる明かりが全てLEDになる時代が来るかもしれません。しかし、わたしたちの生活を照らし続けてくれた白熱電球や蛍光灯のことも、忘れないであげたいですね。
※画像はLEDを使ったイルミネーションです。