太陽の光エネルギーで発電をする「太陽光発電(たいようこうはつでん)」。太陽光発電は、再生可能エネルギー(さいせいかのうエネルギー)の代表的なものですね。建物の屋根では、太陽光発電用のソーラーパネルをよく見かけるようになりました。
しかし太陽光発電用のソーラーパネルは、屋根の上だけとは限りません。広い土地や、とても大きな建物の屋上に、たくさんのソーラーパネルが並んでいるのを見かけたことはありませんか?
それらは「メガソーラー」と呼ばれるものです。では、「メガソーラー」とは一体どんなものなのでしょうか。今回はメガソーラーについて見ていきましょう!
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「メガ」という単語からも想像(そうぞう)ができるように、「メガソーラー」は巨大な太陽光発電システムのことなのです。その規模(きぼ)は、1MW(メガワット)以上もの出力と、2ヘクタール前後のとても広い土地が必要になります。発電した電気は、設置している場所で使ったり、電力会社などが買い取ったりしているんですよ。
2011年3月11日の東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)がきっかけとなり、メガソーラーの建築(けんちく)が各地で進みました。福島第1原子力発電所事故(ふくしまだいいちげんしりょくはつでんしょ)の事故や地球温暖化(ちきゅうおんだんか)など、さまざまな視点(してん)から、地球にやさしい再生可能エネルギーへの期待が高まっているのです。
メガソーラーの基準(きじゅん)となり1MW以上の出力は、一体どれくらいかわかりますか? 家庭の屋根にある太陽光発電では、5kW前後の出力が平均的です。1MWは1,000kWですから、つまり家庭の太陽光発電の200倍以上もの出力ということになるのです。
メガソーラー設置には、2ヘクタール前後の土地が必要になります。規模にもよりますが、1.5ヘクタールほどのメガソーラーもあれば、3ヘクタール以上あるメガソーラーも。
「ヘクタール(ha)」とは、広さの単位(たんい)です。1ヘクタールは10,000平方メートル、つまり100メートル四方の広さということになります。子どもたちの身近なもの、想像しやすいものでたとえると、東京ドームがおよそ4.7ヘクタール、サッカーのフィールドがおよそ0.7ha、学校のグラウンドがおよそ1ヘクタールです。メガソーラーは2ヘクタール前後ですから、かなりの広さであることがわかりますね。
メガソーラーの設置(せっち)場所は、とても広くなければいけません。使われていない畑などの土地や埋め立て地(うめたてち)、堤防(ていぼう)などの広い場所のほか、大きな建物の屋根もメガソーラーとして使われています。また水上にもメガソーラーがあるんですよ。
山のなかや、高い建物が近くにあるなど、太陽の光がさえぎられている場所はメガソーラーに向いていません。また雪がたくさん積もる場所や、海の潮風(しおかぜ)による塩害(えんがい)が考えられる場所も、あまり向いていないと言えます。
メガソーラーほどの大きさではないですが、「ミドルソーラー」と呼ばれる太陽光発電システムもあるんですよ。10キロワットから1000キロワットほどで、メガソーラーよりも小さな規模のシステムなのです。メガソーラーを設置するほどの広さはなくても、ミドルソーラーなら設置できるという場所も多く、その数を増やしています。
メガソーラーもふくめた太陽光発電システムは、雨の日や夜のあいだは発電をすることができません。発電に必要なのは太陽の光ですから、太陽の光がさえぎられてしまうと何もできなくなってしまいます。しかし、晴れているあいだの発電量はとても多く、大きな力を発揮(はっき)するメガソーラー。
これから先、再生可能エネルギーの中心として、メガソーラーを始めとする太陽光発電はますます活躍(かつやく)していくことでしょう。お休みの日は、家族でメガソーラーを探しに出かけるのも楽しいかもしれませんね。
※画像は水上のメガソーラーです。