北極(ほっきょく)や南極(なんきょく)、そしてその近くで見ることができる美しい「オーロラ」。このオーロラには電気が関係していることを知っていますか?
電気と聞いてまず思い浮かべるのは、電化製品(でんかせいひん)や電線など、身の回りにあるものではないでしょうか。自然現象(しぜんげんしょう)では、雷(かみなり)や静電気(せいでんき)を思い浮かべます。オーロラにも電気が関係しているなんて、思いもよらないかもしれませんね。
そこで今回は、オーロラが発生するしくみについてご紹介します!
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赤や緑、ピンクなどのきれいな光のカーテンを作るオーロラ。そのオーロラはとても高いところで発生します。なんと、地上からおよそ100Km~400Kmほどの高さなのです! オーロラはわたしたちがふだん見ている雲や飛行機よりもはるか上空、宇宙で発生しているんですね。
オーロラの発生には、太陽からとどく「太陽風(たいようふう)」と、その太陽風から地球を守るためにある「磁気圏(じきけん)」が関係しているんですよ。
地球には宇宙からさまざまな物質(ぶっしつ)がふりそそいでいます。宇宙放射線(うちゅうほうしゃせん)や、太陽風などが代表的なものです。それらがちょくせつ地上に届くときけんですが、オゾン層や磁気圏といった地球のまわりにある「バリア」がふせいでくれています。
さて、地球は大きな磁石(じしゃく)だということを知っていますか? 北極がN極、南極がS極というとても大きな磁石なのです。地球にとどく太陽風には「電子(でんし)」と「陽子(ようし)」という、電気をもつ物質がふくまれていて、それらがN極(北極)とS極(南極)に引き寄せられていくのです。
引き寄せられた物質が磁気圏にぶつかると、電流が流れます。その電流がまわりの酸素(さんそ)や窒素(ちっそ)に当たることで色を出し、カーテンのように光るのです。それがオーロラという自然現象なんですね。
オーロラが見えるスポットとして有名なのは、カナダやアイスランド、グリーンランドが有名ですね。これらのスポットは、よく「オーロラ観測(かんそく)ツアー」が組まれています。どれも北極圏(ほっきょくけん)という、北極しゅうへんの場所ばかり。そして南極圏でもオーロラがよく見られるため、オーロラ観測ツアーが組まれます。
しかしごくまれにですが、日本でもオーロラが観測(かんそく)されることがあるんですよ。
日本では北海道で観測されることがありますが、カナダやアイスランドなどのように毎年必ず見られるというわけではありません。太陽の活動が活発(かっぱつ)になったり、磁気嵐が起こったりするなど、さまざまな条件(じょうけん)がかさならないと、日本ではオーロラが発生しないのです。
「電気はちょっとむずかしい」「電気の勉強はにがて」と感じている子どもは多くいます。また電気に対するイメージも、電化製品や雷、静電気といった身近なものにかたよってしまいがちです。
オーロラのように、「自然のなか」や「宇宙空間」などにも、「電気」が関係する自然現象はたくさんあります。どんなものに電気がかかわっているか知ることで、理科で学ぶ電気がにがてな子どもは、電気への興味(きょうみ)を持つきっかけになるかもしれません。また電気に興味がある子どもは、より興味を広げることにもなるでしょう。
インターネットや図書館などを利用して、親子でいっしょに電気が関係する自然現象を調べてみてくださいね。新たな発見をして、とても楽しくなるかもしれませんよ。