自動車を動かすためにひつようなガソリンや、ファンヒーターで部屋を暖めるためにひつような灯油(とうゆ)など、わたしたちの身の回りには「石油(せきゆ)」を使ったものがあふれています。
それだけではなく、「石油」は「火力発電(かりょくはつでん)」の燃料(ねんりょう)としてもかつやくしており、わたしたちの生活になくてはならないそんざいです。今回はそんな「石油」について、どこから来るのか、何に使われているのか見ていきましょう!
「石油」は、たくさんのプランクトンの死がい(しがい)が海の底で泥(どろ)にうもれ、何千万年という長い長い年月をかけて変化してできたものです。海の底、地面のおくふかいところにある「石油」が、地面のなかにたまっている場所があります。それを「油田(ゆでん)」とよんでおり、人々はその「油田」から「石油」をとり出しているのです。
いま、世界で石油がたくさんとれる場所はおもに「中東(ちゅうとう)」とよばれるちいきです。とれたばかりの「石油」は「原油(げんゆ)」とよばれています。
日本は「石油」のほとんどを中東を中心にした海外からの「輸入(ゆにゅう)」にたよっています。大きな船で、日本に運ばれてくるんですよ。
しかし日本でもほんのすこしですが、「石油」がとれる「油田」があるのを知っていますか? 日本の油田は、おもに秋田県や新潟県、北海道、そして日本海側にそんざいしています。今も使われている油田もあれば、もう使われていない油田もあるのです。
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「石油」は、灯油やガソリンなどさまざまな姿(すがた)に形を変えて、わたしたちの生活によりそっています。最初にご紹介したとおり、火力発電の燃料や、車を動かすためのガソリン、ファンヒーターで部屋をあたためるための灯油は、すぐに思い浮かぶのではないでしょうか。
そのほかにも、「石油」は次のような意外なものに変身するんですよ。とても身近なものでは、「プラスチック」があげられます。おもちゃや食品を入れているケース、そのほかさまざまなものにプラスチックが使われていますね。
家から外に出ると、道路があります。この道路の「アスファルト」も「石油」を使っています。また車のタイヤなどに使われる、「SBゴム」に代表される「合成ゴム(ごうせいゴム)」も「石油」が使われているんですよ。
少しびっくりしてしまうかもしれませんが、「化粧品(けしょうひん)」にも「石油」が使われていることも! そのほかにもたくさん、身の回りに「石油」を使ったものがあふれているのです。
火力発電の燃料に始まり、車のガソリンや、ファンヒーター用の灯油、プラスチックやアスファルト、タイヤに化粧品……毎日見かけるもの、毎日使うものに、「石油」が使われています。毎日の生活のなかで「石油」に関係するものを使わない、さわらないという日はないくらいですね。
なかでもプラスチックについては、プラスチック製品(せいひん)の海への流出問題や、プラスチックストローを廃止(はいし)しようという動きがあります。わたしたちの生活に欠かせない「石油」であっても、使い方や廃棄(はいき)のしかたひとつで、ときには問題になってしまうこともあるのです。
石油はいつかはなくなってしまうとも言われている資源(しげん)です。お休みの日には、家族で家のなかにある「石油」製品を探してみましょう。わたしたちの生活をささえてくれる「石油」をよく知って、「石油」をめぐるさまざまな問題も知っていけるといいですね。