「再生可能エネルギー（さいせいかのうエネルギー）」を知っていますか？ 「再生可能エネルギー」とは、その名前のとおり「くり返して使うことができる」「再生する」エネルギーのこと。わたしたちが住む地球や、宇宙にあるものが再生可能エネルギーとして利用されています。
再生可能エネルギーは、発電のときに地球温暖化（ちきゅうおんだんか）の原因となる「二酸化炭素（にさんかたんそ）」を出さない・ふやさない、とてもクリーンで地球にやさしいエネルギーなのです。
電気をつくるために必要な資源（しげん）の多くは、天然ガスや石油、ガスなどの「化石燃料（かせきねんりょう）」とよばれるものです。
化石燃料とは、大昔に死んだ動物や植物が長い年月をかけて変化したもの。つまり、自然の一部とも言える資源です。化石燃料には数に限りがあり、いつかはなくなってしまいます。しかし、再生可能エネルギーはなくなることのないエネルギーとして、大きく注目されています。
では、再生可能エネルギーにはどんなものがあるのでしょうか。
太陽の光や熱をエネルギーに変えて利用します。大きな建物や学校の屋上、家の屋根の上などに黒くて四角い板を見たことはありませんか？ その板は、太陽の光で発電するために置かれたパネルなのです。
もし太陽がなくなってしまうと、地球上のすべてのものは凍り付いてしまい、生きることすらできなくなります。それくらい、太陽の持つ力はとても大きなもの。太陽からもらうエネルギーを大切に使いたいですね。
「地熱（ちねつ・じねつ）」って想像がつきますか？ まるで地球の体温みたいですね。おもに火山活動のマグマによって、「地熱」が生み出されています。
地面の熱を利用して、エネルギーに変える方法があります。それは、「地熱発電（ちねつはつでん）」とよばれるもの。地下の深い場所にあるマグマに雨水がしみこむことで水蒸気（すいじょうき）が生まれ、その水蒸気を利用して発電するのです。
海の近くや、風の強い場所で大きな風車を見かけることがあります。とても背が高く、3枚の羽根を持った真っ白な風車です。それは風の力で発電する、「風力発電（ふうりょくはつでん）」の設備（せつび）。火力発電などにはかないませんが、世界中で利用されているエネルギーです。
風車がどれくらいの大きさか、知っていますか？ 地上の風車でも大きいものは、高さ約108メートル、そして海の上にあるものは高さ約180メートルもあるんですよ！ そんな大きな風車を回してしまうなんて、風の力ってすごいですね。
水の力を利用してエネルギーを作り出す「水力発電（すいりょくはつでん）」。ダムや川などを使い、高い場所から低い場所へと水を流します。その水で発電用の水車をまわしてエネルギーに変えるのです。
水をためるダムを使う方法や、川を使う方法など、水力発電にはいくつかの発電方法があります。
「バイオマス」も、動物や植物などから生み出される資源。生ゴミや、使用済みの油、木を切ったときに出る「間伐材（かんばつざい）」などを利用し、燃やすことでエネルギーに変えていきます。
日本では、京都の「バイオ軽油（けいゆ）プロジェクト」と「バイオディーゼル燃料化事業（ねんりょうかじぎょう）」が有名です。京都市は各家庭から、使用済みの天ぷら油を回収。その油から「バイオ軽油」を作り、「市バス」と「ごみ収集車（しゅうしゅうしゃ）」を走らせています。
京都市：バイオディーゼル燃料化事業
京都市：「バイオ軽油」プロジェクトについて
太陽や風など自然にあるものや、身近なものからムダを出さずにエネルギーに変えるバイオマスなど、再生可能エネルギーは地球にやさしいエネルギーです。とくに太陽は、太陽光発電のパネルや、太陽電池を利用した時計やおもちゃなどがあるため、とても身近な再生可能エネルギーと言えるでしょう。
上の写真は、富山県にある水力発電用の「黒部ダム（くろべダム）」です。ダムや風力発電所など、見ることができる再生可能エネルギーの設備や施設（しせつ）は日本にもたくさんあります。近くの設備や施設を調べて、親子で見学をしてみてはいかがでしょうか？
◇黒部ダム
所在地：〒930-1406 富山県中新川郡立山町芦峅寺
TEL：0261-22-0804
営業時間：6:45〜17:35
休業日：12月1日〜4月15日
