およそ2000年以上前の電池が発見されているように、人間の歴史において「電気」は長く研究されてきました。そうやって研究されてきた結果が、今のわたしたちの生活につながっています。
たくさんの科学者たちが歴史に名前を残し、なかには教科書などでその名前を見ることもあるでしょう。そんな科学者たちのなかから、数名をピックアップ! どんな研究をしたのか、ご紹介します。
ご紹介するのは、トーマス・アルバ・エジソン、ベンジャミン・フランクリン、平賀源内(ひらが・げんない)の3人。彼らは電気に関するどんな発明や研究をしたのでしょうか。
発明王エジソンの名前は、誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。数多くの発明をし、電話(※1)や、蓄音機(ちくおんき・※2)の発明でも知られています。とくに、1879年の白熱電球(はくねつでんきゅう)の発明は、その後の生活に大きな変化をもたらしてくれました。
白熱電球は他の研究者も研究を続けていましたが、「フィラメント」という発光するための素材が弱く、ほんのわずかのあいだしか明かりをつけられませんでした。しかし、エジソンは日本の「竹」をフィラメントに使い、長時間の明かりを実現させたのです。
※1 電話の特許(とっきょ)は、グラハム・ベルが取っています。エジソンのほうが早く特許出願(とっきょしゅつがん)をしていましたが、不備があったために取ることができませんでした。
※2 音を録音(ろくおん)したり、再生したりする機械
「雷」が「電気」であることは、だれもが知っていることですよね。いまでは当たり前のことですが、1752年にベンジャミン・フランクリンによって発見されるまではわからなかったことなのです。
フランクリンはライデン瓶(ライデンびん)という、静電気(せいでんき)をためることができる道具を使って、雷の正体を発見しました。これは「雷をつかまえる」という、おどろきの方法です。
雷が電気ならば、ライデン瓶に電気をためることができるだろうと考えたフランクリン。彼は凧糸(たこいと)にライデン瓶をくくりつけ、雷の日に凧を空高くあげたのです。それによって、雷雲(らいうん・かみなりぐも)に電気があることを発見しました。
さまざまな分野ですぐれた功績(こうせき)を残す平賀源内(ひらが・げんない)。「エレキテルを発明した」ということでも有名ですね。しかし、エレキテルは源内が発明したものではありません。オランダから日本に来た「エレキテル」を、源内が直したというのが正解なのです。
エレキテルとは、「摩擦起電器(まさつきでんき)」、つまり静電気を発生させる装置(そうち)のことなのです。オランダでは、発生した静電気を使って医療(いりょう)に役立てたり、見世物にしたりしていました。それが日本にも入ってきたのです。
源内はエレキテルについてあまりくわしくありませんでした。しかし、見事に直してしまったのです。それは1776年という今から200年以上も前のこと。当時の人々にとっては、とてもおどろいた出来事だったのではないでしょうか。
2000年以上も前から、電気についてさまざまな形で研究と実験がおこなられてきました。成功だけではなく、失敗もたくさんありました。成功と失敗のなかで、長い年月をかけて新しい発見をかさねてきたのです。
今回は、3人の科学者をご紹介しました。しかし電気の進歩を支えてきたのは、この3人だけではありません。学校の図書室や図書館、教科書やインターネットなどで、電気にまつわる研究者を知ることができます。どんな人たちが研究をしてきたのか、調べてみてくださいね。きっと、新しい発見があると思いますよ。
※画像は石清水八幡宮にある、「エジソン記念碑(きねんひ)」です。
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