「平成(へいせい)」から「令和(れいわ)」に元号が変わりますが、平成は30年と数ヶ月ありました。そして平成の前は「昭和(しょうわ)」で、昭和はおよそ63年間という長い時代でした。その昭和から平成の93年あまりで、わたしたちの身の回りにある「家電製品(かでんせいひん)」は大きく変化をとげています。
そこで今回は令和になる前に、昭和から平成にかけて家電製品がどんな変化をとげたのか見ていきましょう!
平成に生まれて、いま小学生くらいの子どもたちは、家にパソコンやタブレットがあったり、自分の携帯電話(けいたいでんわ)やスマホを持っているケースが多いのではないでしょうか。ゲーム機も小さく、グラフィックはとてもきれい。テレビもうすくて「デジタル放送」が見られますね。
ブルーレイやDVDで映画を見たり、テレビの番組を録画したり。さらに、音楽も「ダウンロード」をして聞く時代です。しかし30年前の昭和の時代には、今とはまったくちがう生活をしていました。
まず家電製品の変化がわかりやすいのは、「三種の神器(さんしゅのじんぎ)」です。「三種の神器」とは、第二次世界大戦後(だいにじせかいたいせんご)の1950年代の日本に登場した3種類の家電のこと。
「冷蔵庫(れいぞうこ)」と「洗濯機(せんたくき)」、そして「白黒テレビ」を「三種の神器」とよんでいました。当時の冷蔵庫も洗濯機も、そしてテレビも、現代のように高性能(こうせいのう)ではありません。
冷蔵庫は自動で氷を作ったり温度を管理したり、スマホと連動したり、そんな機能(きのう)なんてありません。洗濯機もスイッチひとつで洗いから脱水(だっすい)、ときには乾燥(かんそう)までしてくれることはなく、タイマー機能もなければドラム式もありません。そしてテレビは大きくて画面は白黒。のちにカラーテレビも登場しましたが、今のようにあざやかなカラーでもなければ、リモコンもなく、画面もきれいではありませんでした。
少しずつ進化し、平成に入るころからより便利な機能が増えてきた三種の神器。技術(ぎじゅつ)の進歩がよくわかる家電製品とも言えます。
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今でこそ当たり前のように使っているスマホや携帯電話、インターネットなどですが、昭和の時代にはまさしく「SF」の世界に登場するような機械だったのです。
小さな機械で家にいながら買物ができたり、遠く離れた人とテレビ電話ができたり、メッセージを送り合えたり。ゲームもできるし、便利な機能がもりだくさん、そんな機械は「未来の機械」「21世紀の夢の機械」でした。
しかも、SF漫画や小説、映画などで表現されるスマホのような機械は、とても大きなものばかり。勉強机くらいのサイズの機械として登場するものもあったんですよ。
昭和のころに使っていた「明かり」といえば、「白熱電球(はくねつでんきゅう)」や「蛍光灯(けいこうとう)」でした。信号機(しんごうき)にも白熱電球が使われていましたが、平成になって10年、20年とすぎていくうちに、じょじょに「LED」が顔を出してきました。
家のなかで使う「明かり」も、信号機も、街のなかのイルミネーションも、長持ちして電力を余り使わず、熱もあまり出さない「LED」にどんどん変わってきています。昭和の時代には「LED」は研究段階、そしてまだ世の中に出回っていませんでした。
「赤色LED」が初めて発明されたのは1962年のこと。それからたくさんの研究者がLEDの研究を重ね、ようやく1990年代の初めに3人の日本人によって「青色LED」が発明されたときは、世界中がおどろきました。「LED」が当たり前のように売られている時代が来たのは、とてもすごいことなのです。
今回ご紹介した家電製品は、家のなかやわたしたちの身の回りにある家電製品のごく一部です。ご紹介しきれないくらいの家電製品が、電気に関する道具が、昭和から平成にかけて大きな変化をとげてきました。
まずは親子で家のなかの家電製品を見回してみましょう。お父さんやお母さんの子どものころは、どんな形だったのか親子でいろいろ話ができるといいですね。おじいちゃんやおばあちゃんがいれば、さらに昔の話を聞くことができます。
平成が終わり令和になることで、令和時代の家電なども登場するでしょう。その前に、平成や昭和の家電のちがいを知ってみると面白いですよ。自由研究のテーマにもおすすめです。