大規模太陽光発電所を建設する上で押さえておくべき5つのポイント
一生に一度のマイホーム購入は大きな買い物ですのでどなたも慎重に検討されると思いますが、太陽光発電所の建設をしようとするなら、さらに慎重に深く調査をすることになるでしょう。より専門知識が必要ですし、大きな投資になりますので後悔はしたくないですよね。
ここでは太陽光発電所建設を検討し始めた初心者の皆様に、建設する上で押さえておくべきポイントを、導入のステップごとに簡単にまとめました。
1. 現地調査:発電に適しているか
まずはじめに必要なのは建設地の現地調査です。遊林地を生かしたいと考えてらっしゃるなら、その土地は発電に適しているかをよく見極めましょう。条件は以下の3つです。
●広くて平坦である
●太陽の光を遮らない
●送電線が近くにある
広い土地が必要なことは想像がつくと思いますが、目安として、1MWほどの大規模メガソーラーの建設をご希望ならテニスコート約100面分相当の面積が必要になります。お持ちの土地、または検討中の土地はどのくらいでしょうか。
そしてできるだけ平坦な土地の方が建設工事はスムーズに進み価格も押さえられますし、いくら広くてもすぐ近くに山や高い建物があって、1日のうちに光を遮られる時間が長くては適しません。
また、発電して作られた電気は連系可能な送電線が近くにないと送ることができませんし、工事車両が出入りできる道路が確保されていることも意外に重要なポイントです。
このような条件を兼ね備えているかを確認しておかないと、工事が思うように進まなかったり、せっかく発電所ができても十分な発電ができず上手く運営できないこともあります。注意してください。
2. 申請手続き:期限に余裕があるか
太陽光発電所を導入することが決まれば、経済産業省に申請する必要があります。これは法令で定めている要件に適合しているか確認するものです。この手続きはご想像通り複雑な書類が多く、誤った申請をしたことで計画していた事業が白紙に戻ったという失敗談もしばしばあります。
また、この際補助金の申請もできますが、補助金申請の受付には期限があり、準備に手間取っていると時期によっては申請できないこともあり、予算オーバーやスケジュールの延期が必要になるかもしれません。
各種手続きについては、サポートできる機関や業者に協力を依頼すると安心です。
3. 設置工事:工期に遅れはないか
設置工事とは整地作業から始まり、架台とパネル、パワーコンディショナーの設置などを行い、配線作業もをするところまで含みます。工事の段階では技術的な面は業者に任せるしかありませんが、工期はきちんと把握しておくべきポイントになります。
特に決算が近い場合は要注意です。補助金は一年違うだけで大きく金額が異なることもあります。契約書に工期に関する事が書いてあるかチェックしてみてください。計画通り進んでいるのか、そうでないのか、業者とコミュニケーションをとって早めの対策を取るのが得策です。
4. 連系(電力受給契約):連系時期はいつか
電気を作れるようになったことを確認できたら、電力会社と電力受給契約をします。電力会社の配線設備に接続し、太陽光発電システムで発電して余った電気(余剰電力)を電力会社に売る(売電)ために必要な契約のことです。
そのためには、国から設備認定を受けなければいけませんが、審査期間は短くても1ヶ月かかることをよく覚えておきましょう。例えば年度内の売電価格で契約するには遅くても2月中頃までに申請するべきです。
電力受給契約は複雑なので業者が代行してくれることがほとんどですが、必要な情報は速やかに準備することを心がけ、控えの書類も無くさないように気をつけましょう。
5. 運転開始後:メンテナンスと補償は万全か
無事に運転開始ができて万事安心なわけではありません。運転開始後に上手く作動していないパネルが見つかったり、発電量が急に下がってしまったり、定期的なメンテナンスは欠かせません。
また、いくら丁寧にメンテナンスしていたとしても、自然災害によるやむをえない破損の可能性も否定できません。設備の補償内容、期間などは、初期段階にしっかり決めておくことが重要です。清掃や除草作業も、運営し続ける限りコストとなっていきますので加味しておきましょう。
太陽光発電所建設の流れとともに、知っておくべきポイントを5つご紹介しました。
必ずしも工事がスムーズに進むわけではありませんし、問題なく運営できるわけではありません。しかし業者と信頼関係を作ってそれらの問題を最小限にとどめる事は可能です。複雑な工程がたくさんありますが、まずは大きくポイントを把握するところから始めましょう。