2021年11月現在、沖縄県をはじめとした沿岸部への軽石の大量漂着や漂流が大きな問題となっています。房総半島などにも漂着した様子がある軽石は、2021年8月に小笠原諸島の海底火山噴火に由来するとされています。
西表島や石垣島、宮古島など沖縄の離島へ渡る際にも軽石の影響は無視できません。伊豆諸島でも軽石らしきものが確認されるなど、軽石の漂着・漂流は徐々に移動。沖縄を中心に、現地の生活面はもちろん、観光産業面においても軽石の影響が懸念されています。
今回は沖縄への旅行などで考えられる、軽石の影響についてスポットを当てて見ていきます。
沖縄県が発表している11月12日時点の情報によると、この「リゾLABO」でご紹介している西表島、石垣島、宮古島では軽石の漂着は確認されていません。沖縄県内一部の影響にとどまっている状況です。しかし11月20日の報道では、宮古島や石垣島への到達の恐れがあるとされ、年内いっぱいは油断ができないと言えます。
また沖縄本島など他のエリアでは、多量の漂着が確認されているケースもあるなど、深刻な状況です。この軽石の漂着は、船舶の航行にも影響を与えています。それはもちろん離島への航行も含まれ、沖縄への旅行の際には軽石の情報や状況にも注意を払うことが望ましいでしょう。
11月12日時点で西表島や石垣島、宮古島への軽石の漂着は認められていませんが、前述の報道のとおり、いずれ軽石が漂着する可能性があります。これまで沖縄県内では、軽石の漂着によりフェリーなどの定期航路の欠航や、漁業への影響が発生しています。現在は軽石が漂着していない離島においても、この影響は決して無関係ではありません。
石垣島や宮古島へ旅行をする際は、基本的にそれぞれの空港へ行く空路が選択されます。ただ西表島や八重山列島内の離島、また宮古島周辺の一部の離島を訪れる際にはフェリーが必要になるため、軽石の状況に左右される可能性も考えられます。
沖縄県内の各離島、とくに空港がなくフェリーで渡る必要がある離島へ観光を予定する場合は、軽石の漂着、漂流状況によっては、沖縄全体の観光への甚大な影響が懸念されます。
軽石の漂着のないビーチでは、マリンスポーツなどのアクティビティも実施されています。しかし軽石の状況によっていつアクティビティに影響も出るかわからないため、軽石が漂着している期間は海上の様子次第でのイレギュラーもあり得るでしょう。
軽石の漂着が確認されてから、海岸で拾った軽石を、フリマアプリなどで出品するケースが見られました。ガーデニングなどに活用する例もあるようですが、実際に漂着している軽石が安全かどうか、2021年11月現在では不明な点が多く、持ち帰ることのないように沖縄県が呼びかけています。
沖縄だけに限らず、各地に漂着した軽石を見つけた場合は持ち帰らないようにしましょう。またフリマアプリの「メルカリ」では11月8日より、漂着した軽石の出品が禁止されています。
沖縄に漂着した軽石は大量で、日々除去作業が続けられています。自治体はもちろん、多くのボランティアも参加しての除去作業です。軽石の進入を防ぐフェンスなどを設置するといった対策も進められていますが、海底火山の噴火という、「見えない場所」での自然災害由来のもののため、除去作業も手探りの、そして地道なものになっています。
海洋生物への影響も見られ、本州への到達もある軽石。とくに沖縄方面への旅行や出張の予定がある方で、フェリーを使用するという方は、少なくとも年内は軽石の状況に注意するようにしましょう。