宮古島の「八重干瀬」は国内最大のサンゴ礁で、国の天然記念物、そして名勝に指定されているほど。「幻の大陸」とも呼ばれ、人々に愛され続けています。今回は宮古島のサンゴ礁「八重干瀬」についてご紹介します。
大きさは南北がおよそ17km、東西がおよそ6.5kmとかなりの規模を誇る「八重干瀬(やびじ)」は、宮古島の北方、池間島の東に広がるサンゴ礁。宮古島からは北に5kmから22kmほどの海にあります。
「八重干瀬」には、100を超えるサンゴ礁があり、名前の由来の一説でもある8つの大きなサンゴ礁と、そのほか小さなサンゴ礁が、宮古ブルーの海をより美しく魅せてくれます。
宮古島と池間島、それぞれに「八重干瀬」を楽しめるツアー船があり、海上から眺めて楽しむのはもちろん、ダイビングやシュノーケリングを楽しめます。とくにダイビングやシュノーケリングでは、サンゴ礁に住む豊かな生態系を観察することもでき、サンゴや熱帯の魚による色鮮やかな世界を満喫できます。
また宮古島と池間島を繋ぐ「池間大橋」は、「宮古ブルー」の海を堪能できる絶景スポット。そのため「八重干瀬」を楽しむ際には、一緒に池間大橋も楽しめるルートを選ぶのもおすすめです。
池間大橋の下を通って「八重干瀬」に向かうツアーや、レンタカーや徒歩などで「池間大橋」を渡り、池間島側から「八重干瀬(やびじ)」に行くツアーなどを利用すれば、絶景を存分に楽しむことができます。
「八重干瀬」は「幻の大陸」とも呼ばれていますが、それは春から夏にかけての現象によるものです。干満差が大きいシーズンになると、干潮時には「八重干瀬」のなかのいくつかの「干瀬」が海から姿を現します。その様子が陸のようであることから「幻の大陸」と呼ばれているのです。
旧暦の3月3日には干満差が最大になるため、厄払いの行事「サニツ」も宮古島で行われます。「サニツ」とは浜辺で女性が身を清め、無病息災などを願う伝統行事で、沖縄本島では「浜下り」と呼ばれています。かつてこの「サニツ」では、「八重干瀬」での潮干狩りなども行われていましたが、現在は上陸できなくなっています。
2014年までは上陸ツアーがありましたが、伊良部大橋の開通によってフェリー運航が廃止され、2014年を最後に上陸ツアーはなくなりました。上陸できなくなったことで、サンゴの保護にも繋がっています。
鮮やかで美しいサンゴ礁は、長い年月をかけて育まれてきたもの。宮古島の「八重干瀬」も同様です。沖縄県ではサンゴ礁の保全のため、サンゴ類の採取等を禁止しています。ダイビングやシュノーケリングで「八重干瀬」のサンゴを折ったり傷を付けたり、また海中のサンゴやビーチに落ちているサンゴを持ち帰る、といった行為は全て禁止されています。
宮古島で「八重干瀬」を訪れる際には、ルールとマナーを守って、美しい海と鮮やかなサンゴ礁を存分に楽しみたいですね。