沖縄の離島、宮古島の「オトーリ」をご存じでしょうか。「オトーリ」とは宮古島に古くから伝わる、泡盛の飲み方にまつわる風習のことです。テレビをはじめとしたメディアで取り上げられることも増え、いまでは島外の人々にも知られるようになってきました。そこで今回は、「オトーリ」についてルールや注意点などをご紹介します!
「オトーリ」の起源は16世紀の琉球王朝まで遡り、当時の中国式の乾杯が伝わったことが始まりとされています。乾杯の方法そのものは現代に至るまでに形を変えてきていますが、当時は貴重だった泡盛を皆で分け合うためにおこなわれていたのだそう。
オトーリにはルールがあり、それに則って進められます。現代のオトーリのルールや注意点を順番に見ていきましょう。
「オトーリ」は、お酒の席で泡盛を使っておこなわれるもの。宮古島の居酒屋での飲み会や、親族の集まりなど、さまざまなシーンで楽しまれています。飲むのは地元の泡盛、そしてオトーリ用の小さな杯を使用します。泡盛はストレートではなく、水7:泡盛3ほどの割合にするケースがほとんどです。
それでは、オトーリのルールを簡単にご紹介します。
以上が、オトーリの簡単なルールです。上記の流れが延々と続くこともあるとのこと。他にも細かなルールや、右回りと左回りの違い、さらにはグループや家族などによっては独自ルールもあり、大変奥が深い風習です。
「オトーリ」は、前項でご紹介したとおり泡盛を飲み続けていくというもの。水割りになっているとは言え、飲み続けていけば酔いが回ります。場の雰囲気に飲み込まれてしまったり、「もう無理」と断り切れなかったりすると、大変なことになりかねません。オトーリに参加する場合は、飲み過ぎにはくれぐれも気をつける必要があります。
断りにくい場合には、「美ぎ酒飲みカード」というものを活用するといいでしょう。これは元々「オトーリカード」と呼ばれていたもので、飲み過ぎを防ぐためのカード。オトーリを途中で断りたいときなどに出すと良いとされています。「美ぎ酒飲みカード」は、宮古保健所で発行してくれます(平日のみ)。
宮古島を観光で訪れた際、「オトーリ」に参加する機会はあまりないと思います。しかし宮古島の人々と仲良くなったり、宮古島に友人や親戚がいたり、さらには移住をしたり――そんなとき、オトーリに触れる機会が訪れるかもしれません。
周囲との交流を深めることができる風習ですが、オトーリそのものに慣れない島外の人間が無理に参加をしてしまうことは避けるようにしましょう。自身の許容範囲内で適度に飲み、飲み過ぎる前に離脱するなど、工夫できるといいですね。
オトーリは宮古島に古くから伝わる風習。もし参加する機会を得られたときは、無理のない範囲で楽しめるといいですね。