森林や海、河川など、地球上にはさまざまなタイプの生態系が存在しており、すべての生物が関わり合いながら形成される自然の恵みによって支えられています。しかし、便利さや快適さを追求するあまり、地球の再生能力を超えるほどのエネルギーを消費しているのが現状です。
2030年を達成期限とする17の国際目標「SDGs」の7番目に、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」があります。日常生活や社会活動を支えるエネルギーにスポットを当てたもので、誰もが安心して暮らせる社会を構築するために解決しなくてはならない課題のひとつです。そこで今回は、「再生可能エネルギー」についてご紹介いたします。
太陽光、地熱、水力、風力、バイオマスなど、自然の力で生み出すエネルギーを「再生可能エネルギー」といいます。天然ガスや石油、石炭といった有限資源とは異なり、永久に繰り返し利用できるエネルギーなので、日本のようにエネルギー資源が乏しい国でもエネルギーの安定供給を目指すことができます。
また、発電時の二酸化炭素排出を抑制できるのも再生可能エネルギーを活用するメリットです。再生可能エネルギーの普及が進むと、気候変動を阻止する「SDGs」はもちろん、世界が目標としている「カーボンニュートラル」など、地球規模で取り組むべき問題の達成につながると考えられます。
地球環境にやさしい再生可能エネルギーの種類と特徴について、ひとつずつ見ていきましょう。
ソーラーパネルに太陽光を当て、光エネルギーを電気に変換するのが「太陽光発電」です。化石燃料を使用しないため、クリーンで持続的に発電できます。さらに太陽の光があれば発電できることから、災害・停電時の長期的な停電にも非常用電源として期待されています。
太陽光発電は太陽光を利用する発電方法なので、天候が良くない日は発電量も低下してしまいます。また、導入コストやメンテナンス、立地条件など、太陽光発電を導入する前にクリアすべき課題が多いことも事実です。
「風力発電」は、風を利用して風車を回して電気に変換する発電方法です。発電時に有害物質を排出しないので、環境負荷が小さいのがメリット。しかし、現段階では初期費用が高く、なかなか普及しないのが現状です。
落水や流水といった水力を利用した発電方法を「水力発電」といいます。水資源に恵まれた日本では昔から盛んにおこなわれており、主な方式は流れ込み式、貯水池式、調整池式、揚水式です。発電するうえで二酸化炭素を排出しないのがメリットですが、環境や生態系に影響を及ぼす恐れがあります。
「地熱発電」は、地球内部にある熱エネルギーを利用した発電方法で、地中深くから掘り出した蒸気や熱水でタービンを回転させることによって電気を発生させます。化石燃料を燃焼させるわけではないので、二酸化炭素排出量が低いのがメリット。しかし、導入コストや発電効率の低さ、長期にわたる開発期間、景観に与える影響など、多くの課題が残されています。
稲わらや廃油、家畜排せつ物、生ごみなど、動植物から生まれた「バイオマス」を燃やした蒸気でタービンを回して電力発電させる方法が「バイオマス発電」。バイオマス発電を利用することで、循環型社会の構築や地球温暖化対策、農山漁村の環境改善などが期待できます。一方バイオマス燃料が広い地域に分散しているので、収集・運搬・管理に費用がかかるというデメリットがあります。
私たちの暮らしや安定した経済活動はエネルギーによって成り立っています。しかし、大量のエネルギー消費が気候変動や地球温暖化に影響を及ぼすのであれば、私たちはエネルギー問題と真摯に向き合わなくてはいけません。
温室効果ガス削減、エネルギー自給率の向上、非常用電源の確保など、再生エネルギー導入によるメリットを理解することもSDGsの取り組みにつながります。日本のエネルギー事情に関心を持ち、持続可能な社会に向けた行動を起こしてみてはいかがでしょうか。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。