持続可能な社会・世界を目指すため、2030年をゴールに設定して世界中でさまざまな取り組みが進められている「SDGs」。2021年は日本中でSDGsが話題になり、流行語大賞にもノミネートされるなど存在感が高まっています。
このSDGsには、実は世界ランキングがあることをご存じでしょうか。世界各国の取り組みに応じて達成度などがわかる国際レポートで、各国の順位も記載されています。
今回はこのSDGsの世界ランキングについてスポットを当ててご紹介いたします。
SDGsの世界ランキングと呼ばれているものは、「Sustainable Development Report」という国際的なレポートです。これは毎年一度、SDGsの達成度などをレポートしたもので、「SDSN(持続可能な開発ソリューションネットワーク)」と「ベルテルスマン財団(ドイツ)」によって毎年発表されています。
各国の達成度の順位や、達成状況などがレポートされているランキングですが、2021年は6月に「Sustainable Development Report 2021」が発表されました。当然ながら日本についてもレポートされ、日本におけるSDGsの状況がわかるようになっています。
この「Sustainable Development Report 2021」では、各国のランキングのほか、達成度や課題なども詳細にレポートされます。SDGsの目標が世界でどれくらい取り組まれているのか、国別の特徴や課題などが見える実に有意義なレポートです。
日本は「Sustainable Development Report 2021」において、ランキングの対象となる165カ国中で18位(スコア78.6点)。各目標の達成状況などは、上画像を見ると一目瞭然と言えるでしょう。色や矢印の意味は、以下の通りです。
よく見れば、アイコンの色と矢印の色が異なっているものが多くあります。アイコンの色では目標そのものへの達成度と、そして矢印による色は達成への進行具合をイメージすると良いのではないでしょうか。
これらを総合すると、「Sustainable Development Report 2021」における日本の状況が見えてきます。SDGsへの取り組みが順調なのは、目標4「質の高い教育をみんなに」、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標16「平和と公正を全ての人に」が当てはまります。もちろん他にも上昇を見せている目標があり、今後の取り組みが期待されます。
達成には遠く、取り組みが足りないと思われるものは赤いアイコンに注目したいところです。しかし矢印に注目すれば、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」と目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」は上向きで、今後の進展や達成度に期待ができるのではないでしょうか。
いっぽうで停滞および悪い方向へ進んでいるとされる目標13から15は、どれも環境に関する目標です。気象変動、海の豊かさ、陸の豊かさ、これらへの対策が日本では足りない、もしくは後退しているということになり、重要な課題のひとつとしてより取り組みを強化する必要があります。
日本のランキングをご紹介いたしましたが、では「Sustainable Development Report 2021」において上位に入った国はどこなのでしょうか。上位5位には順に、フィンランド(スコア85.9)、スウェーデン(スコア85.6)、デンマーク(スコア84.9)、ドイツ(82.5)、ベルギー(82.2)と続きます。上画像は世界1位となったフィンランドの評価です。日本と比べて、赤いアイコンの少なさが際立っています。
「Sustainable Development Report 2021」は2021年6月に発表されたランキングです。そのため、2021年の1年間の取り組みが反映されているものではありません。しかしこのランキングは世界の状況や、日本が抱えるSDGsへの課題が浮き彫りになっているものであり、今後の取り組みへの大きな指針にもなり得るものです。
毎年公開されているこのレポートは、もちろん2022年にも公開されます。次の日本のランキングや、目標への達成度はどうなっているのか、そして2030年に向けてどう推移していくのか、注目したいところです。
<日本およびフィンランドの画像引用元>
Sustainable Development Report 2021
https://dashboards.sdgindex.org/
https://dashboards.sdgindex.org/downloads
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。