日清食品のカップヌードル公式Twitterが2021年6月3日に公開したツイート、「さようなら、全てのフタ止めシール」。この衝撃的なツイートは瞬く間に日本中を駆け巡り、媒体問わずあらゆるメディアで話題になりました。
翌日、日清食品が発表したフタ止めシール廃止は、多くの人々に好意的に受け止められました。日清食品の新たな挑戦とも言え、注目が高まっています。今回は日清食品のフタ止めシール廃止や、SDGsへの取り組みにスポットを当てて見ていきましょう。
日清食品が発表したのは、カップヌードルのフタ止めシールを廃止し、代わりにフタに「Wタブ」を採用するというもの。フタ止めシールは長きに渡って親しまれてきたため、「なくなるのは寂しい」という方も多かったようです。
しかしこの「フタ止めシール」廃止は大変画期的かつ大きな挑戦であり、日清食品だけではなく他の企業や業種にも、影響を与えるのではないでしょうか。
カップヌードルのカップの底、包装フィルムに貼られたフタ止めシール。お湯を入れて3分待つ間、フタをカップに固定するための便利なパーツでした。
フタ止めシールが登場したのは1984年のこと。最初はバーコードが印字された紙製のシールで、今のような透明のプラ製シールになったのは2008年でした。このとき、カップは逆に紙製に変わっています。
若い世代の方たちは「フタ止めシールがあるのが当たり前」の日々を過ごしてきたのではないでしょうか。フタ止めシールが出た当時は、画期的なアイテムの登場に多くの人々が興奮したものです。40年近い時を経て、その役割を終えることになりました。
フタ止めシールは登場した当初は紙製でしたが、2008年からプラ製になったことは前述したとおりです。2020年5月11日の日清食品による発表では、2019年度のカップヌードルの売り上げが1,000億円を突破したとのこと。すこし厚めのシールは大きさこそ小さいものの、「カップヌードル」の年間生産量を考えると、膨大な量のプラスチックを消費します。
実際、このフタ止めシールを廃止することで見込まれる年間のプラスチック削減量は、なんと33トンにもなるとのこと。ひとつひとつは小さなシールですが、想像以上のプラスチックを消費していたのには大変驚かされます。
SDGsへの取り組みが世界中で進み、2030年のゴールに向けて脱プラスチックや脱炭素などの動きが加速するなか、今回の発表は非常に大きな反響を持って受け止められました。
日清食品はSDGsの以下の目標にも積極的に取り組み、「EARTH FOOD CREATOR」という企業理念も掲げています。この企業理念は、「食」の楽しみや喜びで人類を満たすことを通じ、地球や社会に貢献するといった意味があるのだそう。
インスタントラーメンの無償提供による被災地支援や貧困支援、国連WFPやベルマーク教育助成財団への売上の一部寄付、商品に関わるプラスチック使用量の削減といった、さまざまな取り組みを進める日清食品。サステナビリティ委員会を設置するなど、持続可能な環境や社会作りにおいて、食を通してさまざまな試みがおこなわれています。
今回のフタ止めシールだけではなく、少し前には「カップヌードル 残ったスープ固めるパウダー」を開発するなど、地球の環境や食に配慮した取り組みで常に一歩先を進む日清食品。日清食品が次におこなう取り組みがどのようなものになるのか、これからも目を離すことができません。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。