2030年というゴールに向けて取り組みが続けられるSDGs。スタートした当初は認知度が低かったですが、今や「どこを見てもSDGs」と感じるほど認知度が高くなりました。教育現場においてもSDGsに関するカリキュラムが取り入れられ、早ければ未就学のうちからSDGsに触れています。
そうしたなか、SDGsで加速するのは取り組みだけではなく「疲労」もあります。今回は「SDGs疲れ」に注目して考えていきます。
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「SDGs疲れ」という言葉を多く見かけるようになってきました。このSDGs疲れは一見すると個人が抱く感覚のように見えますが、SDGsを導入する企業でも同様に疲弊しているケースが増えています。
なぜSDGs疲れが発生するのか、根本や原因はそれぞれ異なるでしょうし、それでいて共通する原因もあることでしょう。SDGsの目標や取り組みは確かに持続可能な社会や未来のためには必要ですが、かといって疲れ続けるような取り組みは良くないと言えます。
SDGs疲れと言うからには、前提として「SDGsを知っている」という必要があります。しかし「知っている」だけで「取り組みをしていない」場合でも、SDGs疲れを感じてしまうケースがあります。
常にSDGsの情報があふれることで、興味のない人は「またSDGsか」「なんでもかんでもSDGsに繋げている」と疲れを感じることでしょう。いっぽう何らかの取り組みをしている人にとっては「もっと必要なのかもしれない」という義務感や、「もっと良い方法があるのでは」という焦りなどから疲れてしまうこともあるでしょう。
また、SDGsは情報過多になっているとも言えます。そうした情報過多に身を置くことによる疲れも発生するケースも考えられます。しかしSDGsは、情報を発信することの必要性や重要性も存在しており、情報の受け手側のキャパシティとのバランスを取るのは難しい側面があります。
企業では、企業としてのSDGsを全面に押し出す動きが増えています。一部の企業では半ば強引にSDGsと事業をつなげ、実行しているケースもあるとのこと。またSDGsに取り組むためには、その結果を出すことも重要視されます。そのうえで、企業の体制とSDGsのバランスが崩れ、疲弊を起こすケースも見られます。
自分自身や企業がなぜSDGsで疲れているのか、その根本や原因を考える必要がありますが、日々の取り組みを振り返ることですぐに見つかります。SDGs疲れは決して悪いことではなく、疲れたならば方向性を変える、取り組みを減らす、休みを入れるなど、状況に応じた柔軟な対応をしたいものです。
SDGsは、地球規模で見れば「最優先するべき」目標が並びます。しかし取り組む側にとってはそれが本当に「最優先」であるかどうかは、また別の話です。企業であっても個人であっても同様で、SDGsの取り組みにつける優先順位を間違えて無理をしてしまうと、ただひたすら疲れる結果になる可能性もあります。
たとえば「フードロスをなくしたい」と考えた個人が家族の食事を用意、しかし家族が体調不良でどうしても食べられなかったとします。残して翌日に食べるには、消費期限的に厳しい。でもフードロスは嫌だ。そんな気持ちから、自分が無理をして残りを全部食べたものの、食べ過ぎて胃腸の調子が悪くなってしまった――というのは、好ましくないと言えます。
上記は極端な例ですが、SDGsのどんな取り組みにも言えることです。上記で言えば、フードロス対策を最優先にして無理をするのではなく、「今、その対策ができるかどうか」を考え、「やむを得ず発生してしまったフードロス」には「仕方がない」と割り切ることが必要です。
またSDGsに取り組むことを、他者に強要するのもいけません。他者には他者のSDGsへの考えとペース、優先順位があります。強要する側も、される側も、やはり疲弊していくことでしょう。
SDGsの優先順位を考え、ときには柔軟に取り組み内容や優先順位を変動させることにより、SDGs疲れの回避にもつながります。
未来の生活や地球環境、社会などに大きな影響があるため、SDGsへの取り組みは重要視され、加速しています。もちろん重要であることには間違いなく、国や企業、個人などさまざまな場所や形で取り組むことで、理想的な形のゴールに少しずつ近づきます。
だからこそSDGsの取り組みは柔軟に、そして疲れないようにバランスを取っていくことが大切です。すでに疲れてしまっている場合も、まだ疲れを感じていない場合も、「SDGs疲れを増やさない」ために、現在取り組んでいるSDGsを一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。