2020年12月現在、不妊治療の助成拡大のニュースが流れ、不妊治療をおこなっているご夫婦や事実婚カップルをはじめ、多くの方々から注目を集めています。不妊治療には多額の費用が必要になるほか、精神的、肉体的、そして社会的な苦労や苦痛、苦悩などをともなうケースが少なくありません。
そしてSDGsにおいても不妊治療への課題や取り組みは必要で、実際に企業やNPO法人などさまざまな団体において、不妊治療に関するSDGsの取り組みが進められています。今回は不妊治療とSDGsについてスポットを当てて見ていきましょう。
不妊治療への助成拡大の決定や、政権が目指している不妊治療の保険適用化などは、不妊治療をおこなう人々にとって大変大きな意味を持ちます。同時に、当事者だけではなく社会全体での認知と認識を深め、少子化社会でもある日本国内において不妊治療への理解と協力は大変重要な課題と言えるでしょう。
著名人が不妊治療を公にするなど、メディアで不妊治療に関する話題に触れることは多くあります。しかし不妊治療をどこまで理解しているか、周囲がどれほどサポートできているかという話は、また別の問題です。
個人単位はもちろんですが、当事者が働く職場、そして社会保障や取り巻く環境などがサポートすることが求められます。しかし、20年前の日本と比べて大きな変化は少ないという印象があります。不妊症の原因は女性にあると思われがちですが、実際は男性不妊の割合は決して低くないこともあまり知られていないのが現状です。
そのいっぽうで、不妊治療に関する治療費をサポートする民間の医療保険が登場。また不妊治療のための休暇を導入する企業もあるなど、少しずつ社会の動きも見られます。
不妊治療とSDGsには深い関係があり、不妊治療と関わりの深い目標としては、目標3「すべての人に健康と福祉を」や目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標8「働きがいも経済成長も」などが挙げられます。
取り組み方は多様で、前述したように不妊治療用の医療保険の発売や、不妊治療の休暇などはもちろん、「不妊治療」「不妊症」についての啓発活動や教育を推進することも挙げられます。不妊治療を取り巻く問題は実に多く、ひとつずつ向き合って対策および取り組みを進めることが大切です。
不妊症であること、不妊治療をしていることを、パートナー以外の誰かに話せないという方も少なくありません。また治療にかかる費用や心身への負担、職場を休まざるを得ないことへの無理解など、当事者は多くの問題を抱えています。不妊症であること、そして不妊治療をしていることをもっと話しやすい社会を目指すべく、SDGsの取り組みを進める団体も多くあります。
SDGsの取り組みとして不妊治療の支援や啓発活動などの取り組みは多くありますが、個人や企業などの団体による取り組みには限界もあります。不妊治療の大きな壁のひとつが治療費です。保険診療の対象になっていない治療も多くあり、民間の医療保険を組み合わせても全て補填でいるわけではありません。
不妊治療にかかる費用は途方もなく、治療の種類によっては軽く100万円以上かかるものがあります。そして「一度の治療でOK」というわけではありません。不妊治療は何年もかかるケースが多く、それこそ一度で妊娠できるのは稀で、奇跡と言っても良いでしょう。
少子化の進む日本において、不妊治療への対策はそのままダイレクトに少子化対策にもつながります。今後、不妊治療に関して行政からどういった支援が得られるのか、それに伴って不妊治療にかかる「あらゆる負担」がどこまで軽くなるのか、国はもちろん各自治体にも大きな期待を抱きたいところです。
不妊症や不妊治療は「遠くの誰か」の話ではなく、大変身近な話です。表に出さないだけで、実に多くの夫婦やカップルが直面し、悩んでいる問題です。
不妊症や不妊治療は大変デリケートな問題ですが、正しい知識を得ることにより、不妊治療をする方たちへのサポートへとつながります。まずは不妊症や不妊治療について「知ること」から、SDGsの取り組みが始まるのです。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。