SDGsには17種類の目標がありますが、そのなかの目標2「飢餓をゼロに」はダイレクトに「食」に関する課題を浮き彫りにしています。しかし実際にはほかの多くの目標の達成がなければ、解決できない問題でもあります。
なぜ飢餓が発生するのか、その問題を解決するにはどうすれば良いのか考える必要がありますが、同時に世界が抱える「食」の問題についても認識しておきたいものです。
今回は世界が抱える数多くの「食」の問題から、わたしたちにとってごく身近である「食べる」という行為に近い位置にあるものをピックアップして見ていきます。
日本でいわゆる「普通」の生活をしていれば、食事に対して困ることは多くありません。しかしその普通の生活の傍らにも、「食」の問題はたくさん潜んでいます。
「食」に関する問題は大変身近なものでありますが、しかし意識しなければ遠い世界のものかもしれません。今回はすぐに意識できる「食品ロス(フードロス)」、「将来の食糧危機」、「食の支援」についてピックアップしています。
日本において「食」の問題として挙げられるものとして、低い食料自給率があります。しかし同時に食品ロス(フードロス)も大きな問題になっているという、どこか矛盾した状態です。食品ロスは日本だけではなく海外でも発生。食品や食材、料理などの莫大な廃棄量が発生。いっぽうで日々の食事すらままならない、困窮した生活を送る地域も世界中に存在しています。
日本ではスーパーやコンビニエンスストア、外食チェーン、食品製造に関わる企業などが廃棄量を減らす工夫を進めているほか、「フードドライブ」と呼ばれる食品寄付の取り組みも各地で実施。自治体が主体になって取り組んでいる例もあるなど、食品ロスを減らすための対策が模索されています。
地球上の人口が増え続けることや、環境汚染・破壊、通貨・財政状況、世界情勢などなどさまざまな原因によって、いずれ食糧危機に陥ることが予測されています。この食糧危機に備え、「昆虫食」や「ミドリムシ」などが注目を集めています。昆虫やミドリムシを新たな食材とすべく、世界各地で研究がおこなわれています。
もちろん、昆虫食やミドリムシの研究・開発だけで食糧危機を解決できるわけではありません。複雑な要素が絡みあうことで訪れると予測される食糧危機に備え、多角的な取り組みや対策が進められています。
途上国や難民における食糧難は深刻で、とくに子供たちの栄養不足による発達への影響や死亡率などは喫緊の課題です。また日本国内においても、貧困のために食事がままならない家庭や子どもたちが大きな問題となっています。
それらの問題は、「当事者」のみでの解決は難しく、周囲からの支援が求められます。支援の最たるものが「寄付」です。国家規模はもちろんですが、個人規模においても国際的な団体を通して途上国や難民へ食べ物を寄付する形が多く取られています。また日本では近年「子ども食堂」が増え、子どもたちへの食の提供が各地で取り組まれています。
しかし現状として食に関する支援は足りているとは言えず、支援方法の拡大や拡充が必要です。とくに途上国や難民に対しては、経済援助・補助、インフラ整備、技術提供など、食以外の支援や援助なども必要になるため、ゴールはとても遠くにあるのではないでしょうか。
今回ご紹介した「食」に関する問題は、「食べる」という行為に極めて近い位置にあるものをピックアップしています。実際はこの「食べる」の前に「生産する」「収穫・捕獲する」といった、「入手」するために必要な行為があります。さらには「土壌や海の汚染」「砂漠化などの環境問題」「技術の継承」といった、数え切れない課題や問題を背負います。
SDGsのゴールは2030年ですが、決してそこで全てが完了するわけではないのは誰もが認識していることでしょう。とくに食に関わる問題とSDGsの課題には常に模索と対策が続けられ、ゴールがないと言っても過言ではないかもしれません。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。