SDGsは今や身近な存在であり、日々の生活のなかでSDGsを意識する瞬間が増えています。SDGsがスタートする以前から実施しているゴミの分別も、SDGsの視点から見ることによって新たな発見もあるのではないでしょうか。
ゴミの分別は環境への配慮や保全、リサイクルなどを目的としていますが、「この分別方法で本当に良いのだろうか」と気になるゴミはありませんか? そこで今回は、気になる「あのゴミ」をいくつかピックアップし、分別やリサイクルに関する企業の取り組み例をご紹介いたします。
この記事において「あのゴミ」と表現していますが、おそらく人によって「あのゴミ」は異なることでしょう。今回ピックアップするのは、「薬のシート」「紙おむつ」「使い捨てカイロ」の3種類。これらは自治体から分別の指定がありますが、その分別で本当に問題はないのか、リサイクル方法はないのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
まずは「薬のシート」から見ていきましょう。市販薬や処方薬のなかには、シートにパックされたものが少なくありません。この薬のシートの分別は、たとえば名古屋市であれば「プラスチックゴミ」に指定されています。しかし薬のシートは「PTPシート」呼ばれるもので、プラスチックとアルミニウムで作られており、リサイクルする方法が整備されているとは言い難い部分があります。
2022年、そうしたPTPシートの分別に、第一三共ヘルスケア株式会社が横浜市から実証実験をスタート。回収したシートをプラスチック部分と、アルミニウム部分に分離してリサイクルするための活動です。また2023年の年明け早々、名古屋市の名古屋市立大学薬学部も同様の実証実験のスタートを発表。薬のシートの正しい分別やリサイクルに関する取り組みが加速しています。
どちらの実証実験もスタートして間もないため、まだ身近とは言えません。しかし近い将来、薬のシートの回収ボックスなどが身近になれば、新たな分別の形が浸透するのではないでしょうか。
近年、リサイクルが話題となっている「紙おむつ」。育児だけではなく介護の現場でも大量に消費される紙おむつですが、その廃棄方法が大きな課題となっています。いっぽうでユニ・チャーム株式会社をはじめ、紙おむつのリサイクルへの取り組みを進める企業も登場。介護業界などから注目を集めています。
直近の話題では、鹿児島県大崎町が「紙おむつ専用の回収袋」の導入による実証実験を発表しました。この回収袋は、使用済み紙おむつのプラスチックからリサイクルされたもの。元々、大崎町では2016年から紙おむつ回収の実証実験を実施しており、今回の回収袋の導入はリサイクルが「見える形」での実証実験とも言えるでしょう。
使用済み紙おむつは「汚物」を含むものであり、従来であれば可燃ゴミとして捨てられてきました。しかし企業や自治体によるリサイクルへの努力や開発、環境省による「使用済紙おむつの再生利用等に関するガイドライン」など、紙おむつのリサイクルに向けた環境が整いつつあります。
寒い季節に活躍する「使い捨てカイロ」。使い捨てカイロには鉄粉や活性炭などさまざまな素材が使用されており、ゴミの分別は自治体によって「不燃ゴミ」であったり、「可燃ゴミ」であったりと異なっているのが現状です。
使い捨てカイロは、自宅で除湿剤や消臭剤として再利用するケースが見られます。こうした自宅でできる範囲の再利用法のほか、リサイクルによって水をきれいにする活動も進められています。
大阪のGoGreenGroup株式会社では、使い捨てカイロに含まれる「二価鉄イオン」に注目。使い捨てカイロを「GoGreenCube」というキューブに加工し、二価鉄イオンによる水質等の改善に取り組んでいます。この取り組みは各方面からも注目され、自治体や郵便局、学校、ゴルフ場、釣具店など、さまざまな場所で使い捨てカイロの回収ボックスが設置されています。もし近隣に回収ボックスがあれば、利用してみてはいかがでしょうか。
<GoGreenGroup 使い捨てカイロ回収スポット>
https://go-green-group.com/kaisyu/
薬のシートや紙おむつ、使い捨てカイロにスポットを当て、リサイクルの取り組みなどをご紹介いたしました。今回ご紹介した以外にも、スーツの下取りサービスや哺乳びんの回収サービスなど多くの取り組みがあります。
ゴミの分別やリサイクルなどは、大変身近なSDGsでもあり、今後も課題は増え続けていきます。同時に、新たなリサイクルの形や技術も開発されていきます。自治体の分別を守ってゴミを廃棄しつつ、出したゴミがどのようにリサイクルされていくのか関心を寄せてみてはいかがでしょうか。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。