2015年9月、第70回国連サミットにおいて採択されたSDGsは、誰一人取り残さない社会を目指す国際目標です。2030年を期限とし、「環境」「社会」「経済」に関連する17の目標と169の具体的な手段から構成され、世界全体でさまざまな取り組みがおこなわれています。
私たちが暮らす日本においてもSDGsの認知度は年々高まっており、課題解決に向けて取り組んでいる企業の動きも活発になっているのをご存知でしょうか。そこで今回は、交通手段として人々の生活を支える「鉄道会社」が取り組むSDGsにスポットを当ててご紹介いたします。
鉄道は飛行機や自動車に比べて二酸化炭素排出量が少なく、環境にやさしい移動手段としてSDGsへの貢献が期待されている乗り物です。地域住民の日常的な足として利用されているほか、観光振興や経済活動の基盤として地域社会に重要な役割を果たす存在であるため、鉄道会社が実施している活動にはSDGsに関連したものがたくさんあります。
鉄道会社が取り組むSDGsにはどのようなものがあるのでしょうか。
前述したように、鉄道は二酸化炭素排出量の少ない移動手段ではありますが、電力や石油などの化石燃料でエネルギーを供給し、それに伴い二酸化炭素を排出しているのも事実です。SDGs13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」に貢献できるよう、鉄道会社ではエネルギーの転換やエネルギー効率に優れた車両の導入を目指しています。
JR東海では、ハイブリッドシステムを搭載した特急車両を2022年7月より運転開始。安全性・快適性はもちろん、環境性能が大幅に向上した車両で、二酸化炭素は従来比約30%削減を達成しています。また、多機能トイレや車椅子スペースの設置等、バリアフリー設備が充実しているため、誰もが列車の旅を満喫できますよ。
また、JR西日本は既に植物由来のバイオ燃料を使う走行試験を実施しており、乗客を乗せた走行試験をおこなったうえでバイオ燃料を導入する予定です。バイオ燃料は原料の成長過程で二酸化炭素を吸収(光合成)するため、排出時の二酸化炭素量を実質ゼロに抑えることができます。
JR、私鉄、地下鉄では、鉄道の保守や工事、車両のリニューアルなどによって排出される廃棄物の「リデュース(廃棄物の発生抑制)」「リユース(再使用)」「リサイクル(再資源化)」の3Rを推進しています。限りある資源の消費を抑えるために、鉄道会社では以下のような取り組みをおこなっています。
鉄道会社はSDGsの達成に向けて、資源を有効に使おうと考えています。自然と鉄道の調和が取れた循環型社会の発展に貢献してくれることでしょう。
通勤・通学はもちろん、旅行、レジャーの際に利用する電車は、私たちの暮らしに欠かせない交通システムです。今回ご紹介した活動のほかに、車両・駅施設のバリアフリー化や鉄道構造物の防災対策など、鉄道会社ではSDGsの達成に貢献しています。
鉄道会社の取り組みをきっかけに、持続可能な社会の実現に向けてアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。