外来種とされる生き物の種類は実に多く、その生息地はわたしたちの家庭のすぐ目と鼻の先にもあります。今回はそういった外来種のなかから3種をピックアップ。見つけたときにはどうすれば良いのかなど、ご紹介いたします。
今回ご紹介する外来種は、比較的認知度が高い「セアカゴケグモ」、「オオキンケイギク(大金鶏菊)」、「ブラックバス」の3種。エグチホールディングスの本社がある、愛知県でも見られる外来種を中心にご紹介いたします。
まずご紹介する外来種は「セアカゴケグモ」です。最初に国内で発見・確認されたのは、1995年の大阪の埋め立て地でした。その後、全国に生息域を拡大。黒い体をし、腹部に赤い模様がある5mm(オス)から1cm(メス)ほどのクモで、毒があることで知られています(オスは弱毒、メスには有害な毒があります)。
セアカゴケグモを見つけたときは、絶対に触らないようにします。熱湯をかけたり、殺虫剤(ピレスロイド系)での駆除が有効です。すぐにこれらの駆除方法が用意出来ない場合は、踏み潰し(必ず靴を履いてください)も有効です。
セアカゴケグモは植木鉢などの下やベンチの下、側溝の内側、エアコン室外機の下、人工物の下や裏など、さまざまな場所にいます。もしセアカゴケグモに噛まれてしまった場合は、慌てずに傷口を流水で洗い流し(石けんの使用も可)ます。そしてすぐに医療機関を受診するようにしましょう。
続いてご紹介する外来種は、5月~7月に咲く黄色の花が特徴的な「オオキンケイギク」です。1880年代に持ち込まれたオオキンケイギクは比較的背が高い草で、大きなものでは80cmほどに達します。どこにでもある花のため在来種だと思われがちですが、その高い背と生存力・繁殖力の高さなどから、他の植物の生態系に影響を与えます。
このオオキンケイギクは道路沿いや河原、公園など、あらゆる場所で見かけます。オオキンケイギクが増える要因のひとつに「人の手」があげられます。繁殖力が強いだけではなく、綺麗な見た目に惹かれて気軽に自宅の庭に持ち帰ったり、街路樹や河原などに植えたりするケースが見られるのです。
オオキンケイギクは、栽培も繁殖も禁止されているほか、「生きたまま」の運搬も避けるべき外来種です。オオキンケイギクを自宅の敷地内で見つけた場合は、根も含めて完全に引き抜くことが大切です。また、根についた土は払わず、そのままゴミ袋に入れて枯れさせるようにします。
土壌のなかに種子や根が残ると、また増えてしまう可能性があります。オオキンケイギクを見つけた場所では、駆除後も注意深く観察を続けるようにしましょう。
最後にご紹介する外来種は、釣り好きな方なら一度は釣ったことがあるであろう「ブラックバス」です。よく「バス釣り」「ブラックバス釣り」として対象となる魚は実際は「オオクチバス」で、「コクチバス」などとともにブラックバスとして総称されています。
ブラックバスは河川や湖、沼、ため池など、どこにでもいます。水中の生態系への影響は深刻で、駆除のための取り組みを進める自治体は少なくありません。ブラックバスと同様に、ブルーギルやチャネルキャットフィッシュなども外来種として知られています。
ブラックバスを釣ったとき、「リリース」をしてはいけません。釣りにおいてはよく「キャッチ&リリース」という言葉が使われますが、外来種に限ってはリリースするのは避け、適した方法で処分することが大切です。
かつてブラックバスなどは臭くて食べられないというイメージがありました。しかしブラックバスは元々は食用や釣り用に持ち込まれた魚。今は多くの人々が食べるための工夫をおこなっています。インターネットで「ブラックバス 料理」と検索するだけでも、数多くの料理法が見つかります。
ブラックバスを釣ったときは、処分するのではなく食べてみるのもおすすめです。ただし、淡水魚ですので寄生虫には注意が必要です。刺身で食べるのは避け、必ず火を通して食べるようにしましょう。ブラックバス以外にも、ブルーギルやチャネルキャットフィッシュなども同様です。
外来種はその生き物が自主的に生息域外へ侵入したわけではなく、人間の手によって移動したケースが大半です。「外来種自身」にとっては、駆除されるのも、対策をされるのも理不尽かもしれません。しかし外来種による生態系の破壊への対策は必要です。今後新たな外来種が増えないようにするためには、地道な取り組みと心がけが重要ではないでしょうか。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。