「ヨナグニウマ」という馬をご存じでしょうか? 沖縄の八重山列島、「与那国島」の名を持つその馬は、実際に与那国島で出会うことができます。そのほか島外の動物園などで飼育されています。与那国島観光においてはヨナグニウマとの触れ合いを楽しむ観光客も少なくありません。
今回は日本最西端の離島、与那国島で出会えるヨナグニウマについてご紹介いたします。
与那国島をこれから訪れる予定がある方は、観光サイトやツアーなどで「ヨナグニウマ」の名称を目にする機会があることでしょう。これまで与那国島を訪れたことがある方は、島内で馬を見かけた経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
ヨナグニウマは、与那国町の天然記念物。島のシンボルとしても愛され、島内のマンホールのフタにもデザインされている存在です。
与那国島の「ヨナグニウマ」は、日本に8馬種いる日本在来馬のうちの1種です。なぜ与那国島にいるのか、どこから来たのかは判明していませんが、与那国島という離島において種の系統は保守され、多種との交配等もなく今に続いている貴重な馬です。
ヨナグニウマは一時はその数を減らしてしまい、1975年ごろには50~60頭ほどまで減り絶滅の危機に陥りました。しかし現在は「与那国馬保存会」によって種の保存などが取り組まれ、徐々に数を増やし続けています。
ヨナグニウマと与那国島の人々との絆は深く、50年ほど前までは人々の生活と共にありました。古くから荷物を背に載せたり、人を背に乗せて運ぶなど、働いてきたヨナグニウマ。彼らは大切にされ続け、機械や車などに仕事を渡してからも、島の人々と共に過ごしています。
ヨナグニウマは与那国島の牧場をはじめ、沖縄県内では本島や石垣島、久米島、などでも飼育されています。また、県外では北海道や東京、神奈川、静岡の牧場や動物園などでも飼育されているため、思いがけずヨナグニウマに出会っている経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
与那国島においては、与那国島内の牧場で飼育されていますが、アクティビティとして触れ合うことも可能です。ヨナグニウマと一緒に海で遊んだり、浜辺での乗馬や周辺の散策をしたりなど、ヨナグニウマと触れ合えるプランを提供している団体や牧場があります。与那国島だけではなく、石垣島や久米島、沖縄本島でも実施されているケースも見られます。
与那国島では、路上でヨナグニウマが車両の邪魔をするケースもあるようです。アクティビティではなくとも、牧場の近くなどでヨナグニウマの姿を見かける機会があることでしょう。
与那国島の在来馬ヨナグニウマは、日本在来馬としても大変貴重な存在。数が増えてきたとは言っても、まだ絶滅の危機を脱したわけではなく、これからも保全や保護が必要です。
ヨナグニウマは人々とともに生きてきた、とても人なつこい馬です。与那国島観光などでヨナグニウマに出会う機会があれば、決して驚かせたり傷つけたりするようなことはせず、牧場などの注意を守って優しく接してくださいね。