中古太陽光発電所購入のメリット・デメリット
太陽光バブル期が落ち着き、現在ではセカンダリー市場がにぎわいを見せています。
なぜここまで中古の太陽光発電所が出回るのでしょうか?そしてなぜ新規ではなく中古発電所を購入する投資家が増えているのでしょうか?
そもそも太陽光発電が爆発的に普及した理由は、一括償却が可能であり節税効果が高いことも大きな要因とされていました。すなわち発電所購入目的が「償却」である投資家は、目的が達成された後は「現金化」を考え、手放しているのです。そのほかにも「急に現金が必要になった」「施工がきちんと行われておらず、メンテナンス費用が多く発生する」などの理由があげられます。
太陽光発電所を購入する際は、メーカーから発電シュミレーションというものが提示されます。これは月々の発電量を平均日射量などから割り出したものです。この予想をもとに利回りや事業計画を立てることになります。中古太陽光発電所の場合は「予想」ではなく実際に稼働した「実績」を見ることができるため、より信用性の高い事業計画を立てることができるのです。
固定価格買取制度(FIT)が導入された初年度は1kWhあたり40円と、現在の21円から考えると2倍近くの差が出ています。こうなると今から新しく発電所を建設し、21円での売電収入を得るよりも、40円の中古物件を購入したほうが利回りがいいという事が言えます。しかし実際には売電価格の低下とともに、太陽光発電所の製造コストも大幅に低下している為、利回りベースで考えると大差がないこともよくあることです。
太陽光発電所を建設する場合には、その規模にもよりますが広大な土地が必要となります。また、なるべく土地代を抑えるために坪単価の安い山林などを使用する場合も多くあります。このような場合では、工事中のトラブルから追加費用が発生したり、工期が遅れることも考えられます。しかし中古であれば実際に自分の目で完成形を確認することが可能なのです。また、契約直後から売電収入を得られる点もメリットと言えるでしょう。
様々なメリットがある中古太陽光発電所ですが、一方で注意すべき点もあります。まず、特別償却等の対象にならないという点。そして固定価格買取制度(FIT)の適応期間が20年間よりも短縮しているという点です。5年運用済みの太陽光発電所であれば、当然適応残年数は15年となります。また、発電所によってはメンテナンス契約等が希望しなくても付随していることもあります。
今後も中古太陽光発電所の注目は高まっていくと予想されています。デメリットとしてあげられることは、すべて購入前に確認することができ事業計画に影響が出ません。さらに、車や不動産物件のように、新品から中古になっても価値が急激に下がることはないので手堅い投資物件といえるのです。