観光では観光スポットやアクティビティに目が行きがちですが、その土地の「シンボル」である生き物にも注目してみてはいかがでしょうか。そこで今回は、木や花など、竹富町のシンボルたちにスポットを当ててご紹介いたします。
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それでは、竹富町のシンボル6種類を見ていきましょう。
まずは竹富町の陸のシンボルである、「町木」と「町花」から。町木では針葉樹「イヌマキ(キヤーギ)」が制定されています。このイヌマキは竹富町の人々にとってなくてはならない存在で、古くから家具や建築の資材などとして幅広く利用されてきました。複数の離島で構成され、台風の影響もある竹富町。そんな竹富町で家具や建築資材に使用されるだけあって、イヌマキはとても強い樹木でもあります。
月花は常緑草の「月桃(サミン)」です。初夏に白く可愛らしい花を咲かせ、人々の目を楽しませています。竹富町だけではなく沖縄全体で愛され、民芸品、防虫、お菓子、調味料などさまざまな形で使用されている月桃。ハーブとしても知られています。竹富町においては、葉を「サミン餅」を包む皮として、茎は民具や民芸品の材料として、町の歴史や文化、生活に深く根付いているシンボルです。
続いては竹富町の海のシンボル、「町魚」と「町貝」を見ていきましょう。町魚は、アジの一種で美しい銀色の鱗と青いヒレを持つ「カスミアジ(ガーラ)」。食用はもちろんですが、釣り人たちからも人気があります。西表島をはじめとした竹富町の島々では、タイビング中に出会えるケースがあり、観光客の目も楽しませてくれています。
町貝は「スイジガイ」がシンボルとして竹富町で大切にされています。このスイジガイは6本の突起を持ち、サイズも全長30センチに至る個体もある大きめの巻き貝です。サンゴ周辺の砂地に生息しているため、ダイビングをする際には探してみても良いですね。竹富町ではスイジガイは魔除けとされてきたほか、民具としても使用されるなど、人々の生活にとってなくてはならない存在です。
最後に、竹富町の空のシンボル「町蝶」と「町鳥」を見ていきましょう。まず町蝶は「ツマベニチョウ」。羽の上部にオレンジ色の紋が入った、見た目にも楽しませてくれるシロチョウです。4月~11月にかけて観察できるツマベニチョウは、沖縄のほか鹿児島にも生息し、全長は10センチほど。しかし竹富町によると、町で生息するツマベニチョウは他のエリアの個体よりも大きいとのことです。西表島など竹富町観光の際には、探してみてはいかがでしょうか。
町鳥に制定されているのは、「アカショウビン(ゴッカーロ)」という、全身が赤みがかった美しい鳥です。古くから竹富町の人々の生活に根ざしてきた他のシンボルと同様、このアカショウビンも「農作業の時期を告げる鳥」として大切にされてきました。カワセミの一種で、西表島は繁殖地としても知られています。「キョロロロ」等と表現される鳴き声も可愛らしいシンボルです。