貧富格差、人権問題、気候変動、生物多様性喪失など、数多くの課題を解決するために掲げられたSDGs。17種類の目標は2030年のあるべき姿、169のターゲットは2030年までに達成すべき目標として具体的に示されています。
現在、世界で森林破壊が急速に進んでいるのをご存知でしょうか。特に南米アマゾンや東南アジア、アフリカ中央部の森林は予想を超えるスピードで減少しており、このままでは「木材生産」「二酸化炭素の吸収」「生態系の保全」といった森林の多面的機能を発揮できなくなってしまいます。
そこで今回は、劣化した土地を回復させる「緑化技術」にスポットを当ててご紹介いたします。
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SDGs15番目の「陸の豊かさも守ろう」は、砂漠化対策や森林管理、生物多様性保全など、陸の環境を守るために掲げられた目標です。水・酸素の供給から気候変動の緩和、暮らしの基礎まで、私たち人間の生活は自然がもたらす恵みによって支えられています。
このまま森林破壊や砂漠化が進むと地球の生態系はどんどん崩れ、やがて人間が生存することも危ぶまれます。美しい地球を未来へ残すためには、地球温暖化を防ぎ、自然環境の悪化を食い止めることが重要です。
ここでは、世界規模で取り組んでいる緑化対策について、その一部をご紹介いたします。
砂漠では、風によって肥沃な土が飛ばされてしまう「風食」の影響を受け、砂漠化のスピードが加速していきます。砂漠化が進み植物が育たなくなってしまうのを防ぐため、砂の移動を抑制するためにおこなうのが「砂防」です。
砂防のために用いられる主な樹種はポプラ、アカシア、マツ、ニンキョウ、ニレなど。これらのなかから地形や地質に適したものを選んで植えます。日照りや乾燥に強い植物を植栽すると、より持続的な緑化が期待できます。
雨水や流水によって地表が破壊されてしまうと、植生の回復が難しくなり、農業面積の減少や農業生産性の低下を引き起こします。そのため、砂漠化した土地で苗木を枯らさず育てるには、徹底した水管理をおこなわなくてはいけません。
限られた水資源を有効活用できるよう、乾燥地ではチューブから苗木の根元に水分を与える技術が開発されています。また、苗木の周りに盛り土をしたり小石を敷き詰めたりすることで、地中にしみ込んだ雨水を有効活用しています。
外部から農地へ人工的に水分を補給する「灌漑」や雨水の有効活用など、水管理は劣化した土地に緑を取り戻すために必要な技術。水管理技術が向上すると、森林減少や砂漠化、貧困・飢餓問題など、さまざまな問題の解決につながりそうです。
砂漠化が進む土地で育つ作物は、乾燥に強くなければいけません。また、水分の蒸発によって塩分が地表に溜まる「塩害」への抵抗性も必要になります。
厳しい気候でも栽培できるよう、積極的におこなわれている研究が遺伝子組換えによる品質改良です。遺伝子操作によって日照りや乾燥に強い作物をつくり出すことで、砂漠化地域の食糧問題を解決に導くものとして注目されています。
地球を脅かす環境問題は短期間で解決できるものではありません。持続可能な未来への投資だと捉え、世界規模で長期的に取り組むべき問題です。
SDGsのゴールである2030年が過ぎても世界は続いていきます。10年後、20年後を想像し、「自分が望む未来」について考えてみると、日常生活でできるSDGsの取り組みが見えてくるはずです。一人ひとりの意識・行動で、地球の自然環境をより良いものに変えてみてはいかがでしょうか。
エグチホールディングスはSDGsの実現に向けて取り組んでいます。